三中全会声明文 9つの新しい表現とその解説_中国網_日本語

環球時報(電子版)に載った、三中全会の声明文の解説で、国務院発展研究センターマクロ経済部 張立群研究員 という人の書いたもの。

1.国家ガバナンスシステムとガバナンス能力の近代化の推進

近代的なガバナンス(を導入し)、これまでの柔軟性に欠け、…強硬な伝統的方法(を改める)

「ガバナンス」というのは企業の組織把握力のことで、先進国では一定のルーチンが形成されている。これを国家の運営手法として積極的に取り入れようということであろう。

2.「経済体制改革は改革の全面的な深化の重点で、その中核は政府と市場の関係を正しく処理し、市場の資源配置における決定的役割を発揮し、政府の役割をより発揮することにある」

張立群さんの解説は、何を言いたいのかよくわからない。元の文章はよほど分かりやすい。
つまり経済発展における市場の役割はきわめて大きい。しかし中国のような国家においては、市場の資源配置については、政府が政策的介入を行ってきた。

ここにおいて、政府は資源配置における役割を放棄する、というものだ。ここを踏まえておけば市場か国家かという論争は必要なくなる。

政府はすべてを管理しようという考えを捨て、市場の円滑な機能発揮に努力を集中しようということになる。

3.トップダウン設計の強化と慎重な行動を互いに結合

慎重な行動とトップダウン設計の強化は弁証法的統一なものである。上と下が呼応し、改革のプラスのエネルギーを最大限集める。

これもよくわからない話だが、要するにボトムアップという言葉を使いたくないのであろう。そのために「慎重な行動」という表現でわざわざわかりにくくしているという印象だ。

4.公有制経済・非公有制経済は、ともに社会主義市場経済の重要な構成部分

市場メカニズムは公平で、各主体の競争に政策的な差別があってはならない。

これは公的セクターといえども政策的支持を行わず、欠損への補填を行わないというのを原則にしようという事だ。
これだけではいささか乱暴な議論で、非営利部門や公益性が強い部門は予め別扱いとしてもらわないと困るだろう。

5.科学的な財政・税制は、資源配置を最適化し、市場の統一を維持し、社会の公平を促し、国が長期にわたって安定する制度を保障する

税制の政治的職能、社会的職能、経済的職能を明確にし、改革の目標をはっきりと指し示した。

まぁ元々税金なんてなかった国だから、あらためて財政の基礎として位置づけ直したということだろう。

6.税制改革、税負担安定

営業税から増値税への全面的変更を一応完了し、税制構造の最適化、増値税改革の完成、個人所得税の改革、不動産税の改革・強化などに進む。

7.仕事の権限に見合った支出責任の制度を構築

政府職能の転換にあわせ、中央と地方に見合った支出責任を強調する。かつての「自由にすれば混乱し、強化すれば行き詰まる」という簡単な二元管理法を繰り返さない。

結局、汚職の原因はここにあったということだろう。権限を明確化し、権限以上の財政運用を許さないことが、汚職を防ぐ上でのポイントになる。

8.農民により多くの財産権を付与

自宅用土地、農民の自作用小土地、農民の請負土地を何らかの形で市場で流通させ、それが一種の収益となれば、農民の生活を保障できる。

どこまで踏み込むのかは不明だが、個人用の保留地の財産権を保護し、転売を可能にすることで、農民の生活向上を図るということになる

9.より公平で持続可能な社会保障制度を構築

おそらく誤訳なのだろう。意味が通じない。


ということで、どうもそれほど核心的な方針が出されているとはいえない。

資本主義の進んだところをもっと積極的に導入し、市場原理を前提にして不合理な部分を見直し改革しようということのようだ。

その際政府の役割を、市場の円滑な機能というところに限定し、そこに能動性を発揮していけば、政府の行動はより合理的になり、社会主義を目指す主体的立場は維持可能だと判断している。