名護市の財政

名護市の財政についてかなり衝撃の数字が出ている。

下の図だ。

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2000年前後は歳入は年310億、これが2005年までには約50億減った。

基地関連収入は310x19.8=61億から266x24.4=65億と微増している。

これがすべて基地のマイナス効果とは言わないが、街全体にとって決して基地がプラスの経済効果を持っているとはいえないことが分かる。

基地関連収入を除いた5年間の歳入低下率は[(310-61)-(266-65)]÷(310-61)=19%に上る。歳入は市民の収入を反映しているから、経済活動が5年間で2割前後落ち込んだことになる。

これだけ経済が落ち込めば失業率も増える。05年度の若者の失業率は19.4%に達していた。これは明らかに社会不安の起こる危険ラインを突破している。

これが稲嶺市政になって11年の予算を見ると、歳入総額が330億円になっている。しかも注目すべきは基地関連収入の激減だ。327x11.3%=37円に激減している。(65-37)÷65=43%の減少となっている。

非基地関連の歳入は[(327-37)-(266-65)]÷(266-65)=44%の著増だ。市の歳入が5,6年の間に1.5倍になれば、街の景気は絶好調と言わざるを得ない。

若者の失業率は14.3%にまで低下した。市外に出ていくものも多いだろうが、街中に職もなくぶらぶらしている若者が減ったのは間違いない。

正直言ってなにか数字のトリックがあるのではないかと気になる。11年度予算というのが怪しい。少なくとも12年度決算は使えるはずだ。そこで勝負してほしい。

なお記事には以下のように書かれている。

新基地反対を貫く稲嶺市長就任直後の2010年、国は米軍再編交付金を停止する露骨な“嫌がらせ”に出ました。
当初は[予算が組めなくなる][建設業は仕事がなくなる]等不安の声も聞かれました。

しかし基地収入に頼らない財政運営を進め、予算も増やしてきたのが稲嶺市政の3年半です。

振興費によるハコモノ作りではなく、市民に密着した事業で中小業者の仕事を作ってきた。
沖縄はこれまでの基地に依存した経済から脱却すべきだ。名護市はその先進的なモデルになる。(与党選出の市議会議長談)


ネットを見ても、その手の記事は殆ど見当たらない。

琉球新報 2011年2月8日 にこんな記事があった。

名護市長「再編交付金なくても大丈夫」 良好な財政状況アピール

沖縄防衛局が名護市への米軍再編交付金の支給を停止したことに関連して、稲嶺進名護市長は広報誌「市民の広場」2月号で、「再編交付金がなくても市は大丈夫」とのメッセージを掲載した。記事では、同交付金を活用する予定だった事業を別財源に組み替えていることや、市の財政状況が良好であることなどをアピールしている。

実際に市の単年度の黒字額を示す「実質単年度収支」は、05年の約1億9800万円から09年には約5億4860万円に上昇。借金の程度の基準となる「実質公債費比率」も同期間に15・3%から11・8%へと低下している。市の貯金となる「積立金」は05年の約15億9450万円から11年1月現在で52億6970万円まで増えている。


ということで、赤旗のあげた11年度予算案というのは、この時に急きょ差し替えなどして作り上げた予算、ということになる。

問題はその結果だ。