JR北海道は三つの重みを背負っている。

最大のものは基金からの支援のやせ細りである。毎年の援助金は発足当初の1/3まで減った。その分がそっくり経営赤字に上乗せされている。

第二は旅客数の減少に歯止めが掛からないことである。とくにローカル線の衰退が顕著である。

第三は高速道路との競合である。稼げるはずのところが稼げなくなっている。高速道路を建設するのは基本的には国である。道路建設費を削ってJRに回せば、大量高速輸送にははるかに効率的であるが、道路族がそれを許さない。

要するに国と政府がJR北海道の首を絞め、ボディーブロウを連打しているのである。

そのことを考えれば、「JR北海道、良くやった」とまではとても言えないが、ファイティングポーズを崩さずに頑張ったのだろうと思う。

秋月さんのブログより転載

この表は明らかに変だ。赤字309億円から安定化基金収益254億円を差し引いてもなお赤字だ。なのに純利益が13億円ほど計上されている。
これについては
アゴラ2013年10月04日の記事「JR北海道の経営の真相」(森本紀行氏)が明らかにしている。

経営安定基金は、1987年4月1日のJR分割時に、構造的な事業赤字を補填するため作られた。
合計で1兆2781億円、北海道には6822億円が割り当てられた。当時の国債利回りは5%くらいであり、年間で350億円程度の収益が見込まれ、事業の構造赤字を穴埋めすることとなった。
しかし国債金利はほとんどゼロとなり、基金が生む運用収益はほとんど期待できなくなった。
このため、JR北海道は「鉄道・運用機構」にみずからの資金を貸し付けるという運用(実質的な利子補填)で、収益をあげているようである。
さらに2011年からは鉄道建設・運用施設整備支援機構特別債券という新たな支援スキームが立ち上げられた。この特殊な仕組みを通じて、55億円の補助金が投入されている。
254億円の経営安定基金の運用収益に、この55億円の補助金を合わせた309億円で、全く同金額の309億円の営業赤字を相殺していることになる。

千歳空港乗り入れで、バスから乗客を奪った。複線・電化で小樽、岩見沢、千歳までを支配下に収めた。千歳・帯広間の飛行機を廃線に追い込んだ。函館や釧路でも飛行機との戦いに勝利しつつあった。

基金からの支援が当初見込み通り続いていれば、黒字への転化も夢ではなかったのである(偽りの黒字ではあるが)。

安全の問題はつまるところ経営の問題である。国が姑息なファイナンスの手法に頼らずに、北海道における交通体系の将来構想を打ち出さなければならない。

そうしない限り、この問題な解決されないままに終わり、JR北関道の野垂れ死にをもって終焉する他ないだろう。