ダイヤモンド・オンライン

に、江上 剛 [作家] さんの書かれた

みずほ銀行、暴力団融資問題に想う 繰り返される事件の背後に潜むものという記事が載っていた。結構知らないこと満載の記事なので紹介しておく。

その後、読んだみずほ激震「ヤクザと銀行」元暴力団担当行員の告白という記事もすごいので「枠」に入れて補足する


バブル時代に闇勢力が銀行を浸食

暴力団組織に融資をしたわけではないし、「提携ローンなの?大した問題じゃないんじゃない?」と言った声が聞こえなくもない。

銀行と闇勢力と言われる暴力団との関係を振り返ってみよう。

1980年代後半から90年代前半にかけて、銀行は株や不動産に金を貸しこみ始めた。

バブル崩壊。彼らに融資をした資金は、不良債権となった。銀行は、なんとか回収しようとした。

その時、住友銀行名古屋支店長が自宅マンションで銃殺された。犯人は未だに捕まっていない。

それを境に多くの銀行で不良債権の回収がストップした。

銀行は不良債権を次々と無税償却した。不良債権を十把一絡げにしてサービサーという回収専門業者にタダ同然で売却した。

提携ローンの問題

銀行という組織は、今回のような直接融資ではないことでは、何度も問題を起こしている。

小渕内閣のとき、中小企業の貸し渋り対策のために保証協会の保証枠を数十兆円規模に拡大した。

銀行は、「保証協会が保証してくれる」ということで、多くの企業に保証協会付き融資を実行した。

その額は数兆円、せっかくの経済対策が、暴力団の資金源になってしまった。

住宅ローンも保証会社が最終的に返済してくれるから銀行の不良債権になることはない。銀行は、1000万円以下の住宅ローンは、保証会社に丸投げし、担保実査を省略した。

暴力団による架空の住宅ローンの申し込みが殺到し、銀行は数十億円も損失をだした。


オリコの自動車提携ローン事件

オリコが返済してくれるから、自分の銀行の不良債権にならないと考えるのは間違い。

保証協会の不良債権も最後は銀行が償却しなければならないし、住宅ローン保証会社の不良債権も、最後は銀行につけが回ってくる。

銀行が暴力団が怖いなら、オリコも同じだ。オリコは怖い思いをして回収するより、サービサーにタダ同然で売却する方を選ぶだろう。

「私の場合、問題が発生すると、担当役員から『岡野、処理できるか』と指示を 受け、対処してきました。他の役員も事実は知っているけど、関係したくないし、知らんふりです。こういう取引は、誰かが身体を張って止めなければならない。
簡単にいえば、みずほにはそういう人間がいなかったいうことですやろ」(
元三菱東京UFJ銀行支店長の岡野義市さんの談 出処森功氏の記事

これこそが暴力団の思うつぼだ。どうせ銀行もオリコも回収になんかこない。暴力団員はそう考えているだろう


自動車ローンは暴力団の資金源

暴力団員は車も買えないのか、と怒る人がいるかもしれない。しかし彼らは本当に車を買っているわけではない。

「ポイントは価格査定の難しい中古車ローンだという点。ディー ラーとヤクザが組めば、簡単です。たとえば仕入れ値10万円のクラウンを組員が100万円で買い、ローンを組んだとす る。すると、現金100万円が銀行からディーラーに振り込まれ、ディーラーは差し引き90万円の儲けになる。
その儲けを仕分けするんが、ヤクザの元締 めなのです。90万円の利益のうち30万~40万円を上納させ、残りを組員とディーラーで分けるという仕組み。まあ残り50万円として、ざっと組員が30 万円、ディーラー20万円という感じでしょうか」(岡野氏談 出処同)

そして上納を受けた元締めは、その資金を資金繰りに困っている中小零細企業に転貸するのだ。

結果として提携ローンが暴力団の資金源になり、中小零細企業に転貸され、暴力団は法外な金利や手数料を取る。

「あれは銀行の無担保融資といっしょ。本来は車が担保になるはずやけ ど、中古車だから価値はわからへんし、たぶん車自体二束三文でしょう。相手は計算した上で、自動車ローンという形の借金をしとる。オリコの融資保証がついとるから、銀行の腹は痛まん、いう説明もあるけど、そうやない。みずほは、ローンが焦げ付いて信販会社のオリコが傾いた ら、その損失を穴埋めせなアカン。いわばみずほグループが一体となった無担保融資ですわ」(岡野氏談 出処同)



暴力団の情報と個人情報保護

今回の事件の報道を見ると、オリコには暴力団の情報がなかったようだ。

「信販会社の審査対象は、融資先の人物です。過去に返済が滞ってブラックリストに載っていなければ、書類上、収入があるように整っていたらOK。審査の中で勤め先に電話をかけることもあるけど、ヤクザの息のかかった会社に雇ってもらっているかのように頼んどいたら、それでクリアーできます。…ノンバンクや信販会社の審査なんかそんなもんです」(岡野氏談 出処同)

暴力団員が「私は暴力団です」と言ってカネを借りに来るわけではない。しかしその手の情報は警察にしかない。

警察から、この人物は暴力団員だという情報を提供してもらわなければならない。

しかしその範疇をめぐってはさまざまな議論がある。暴力団員だった人も更生して、まともな社会人になることだってある。逆にまともな社会人がいろんな事情で名義貸することもある。

「信販会社のブラックリストに載っていたらアウトだから、車の購入者が組員ばかりでは限界があります。で、友だちや知り合いに名義を借りるわけです。10万円くらい払えばいくらでもいる。だから230件の大半が組員やないんでしょ」(岡野氏談 出処同)

ひょっとしたら銀行の問題を厳しく追及するジャーナリストも、反社会的人物に登録されているんじゃないのか。