藤井裕久氏の三つの思い込み

1.金融緩和=インフレという思い込み

はっきりしないが、どうもバブル期の記憶が強いようだ。問題は財政出動なのであり、その方向性なのだと思う。その政策がない緩和は有害無益だというべきではないか。

2.“成熟社会”と間接税中心主義の一体化

成熟社会論はそれなりに説得力があるが、消費税25%と無前提に結びつくものではない。

欧州のVATと日本の消費税は同列には論じられない。消費税25%論は高福祉・高負担というのではなく、直接税中心主義の放棄なのだ。

3.貿易障壁の撤廃とTPPの一体化

TPPについては、驚くほどナイーヴである。とても政権の中枢にいた人とは思えない。

この座談会の時点では、まだまだ政治に色気があり、本音のところを語っていないようだ。赤旗での談話とのあいだには落差がある。

逆に言えば、この年でまだ自己変革をやっていこうとする態度には敬服せざるを得ない。

BSフジの座談会では与謝野馨氏と交互に発言しているので、両者の違いがよくわかる。ひとつは庶民目線と財界・株屋たちへの不信感だ。与謝野氏にはまったくこれが感じられない。もう一つは歴史に学ぶという態度だ。それは過ぐる戦争への拒否を内に秘めたものだ。これも与謝野氏には感じられない。