「非正規増やす消費税増税」というコラム記事が出た。
柳沢記者の書いたものだ。
「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論法で、「まぁそうも言えるな」という感じもする。
これについては以前も書いた記憶があるが、どこに書いたか定かで無い。

要するにこういう理屈だ。

本採用の社員の人件費はネットで丸められ、控除の対象とはならない。
ところがこれを派遣や請負に出すと、外注コストとして控除の対象となる。
だからますます、アウトソーシングに拍車がかかるというわけだ。

だから消費税を上げてはならないというところに話を持って行くわけだが、問題は消費税3%の節約が企業にとってどれほどのインセンティブになるかということだ。

人材派遣会社にツケ回しして、それは結局、派遣される社員の給与の低下につながる。そうなるとその会社には派遣すべき人材が確保できなくなる。

そうすれば、その会社は潰れるか、バンスで縛り付けてブラック化するか、契約を破棄して新たな契約先を探さなければならないことになる。

もう下請けイジメはやれるところまでやった。それどころか、今後の人材供給の安定を考えると、ヤバいことになりかねない。

たしかに有効求人倍率は相変わらず低いし、就職難も続いているが、実は欲しい人材は足りないのである。一般的な買い手市場ではなくミスマッチが生じている。

人が雇えないために事業が拡張できないどころか、事業の存続さえ危ぶまれる状況が一方においてある。

企業の海外進出には、こういう面もある。

「肉食った報い」と言われればそれまでだが、こういった面には至急の手当が必要だ。

一つは、米国とつるんで多国籍企業化を図る超大企業と、多少なりとも正業に汗をかこうという企業は分けて考えていくべきだろう。

そのためにも、消費税問題と労働問題、租税回避の問題はそれそれに分けて論じるべきだろう。