メキシコの教育労働者の闘争が高揚しているようだ。

新政権が打ち出した教育改革3法のうち、最後まで残っていた教員職務法(LSPD)が9月4日議会で成立した。この法律は一言っで言えば「勤評」の現代版で、もっとキツイやつである。

教員の採用、罷免、昇任を行政の専決事項化し、「勤務評価・職務試験をおこない3回失敗すると職を失う」ことになるらしい。

これに反対する闘争が全国で盛り上がった。以下はラテンアメリカの政治経済

9月4日早朝からCNTEの労働者数千人はメキシコシティー各地で道路封鎖、デモ行進をおこなった。アウディトリ オ・ナシオナルから内務省本部、証券取引所から上院議会へ、またテレビ局テレビサ前などへと抗議行動がおこなわれ、道路は各所でマヒ状態となった。
抗議行 動は首都以外でも22の州でおこなわれた。バハカリフォルニアスル州ではロスカボス国際空港への道路が2時間にわたり、千5百人の組合員によって封鎖 された。

チワワ州シウダフアレスでは、約千人の教師が、米国への国際橋“リブレ”を無期限に封鎖した。
ベラクルス州 では10の都市でデモ行進がおこなわれたが州都ハラパでは1万人規模となった。約2千人の労働者はフォルティンの料金所を占拠し、高速道路は無料となった。
チアパス州のトィクストラグティエレスではSNTE第7セクション、保護者、先住民、農民など5万人がデモをおこなった。
ハリスコ州グアダラハラでは少なくとも5千人がデモをおこなった。キンタナオロのチェトゥマルでは9千人、ミチョアカンのモレリアでは5千人、ストとデモはヌエボレオン、モレロス、トゥラクスカラ、オアハカ、コアウイラなど各地でおこなわれた。


しかしなんといっても人目を引くのはメキシコシティーの中心部ソカロ広場の“オキュパイ闘争”である。
多分そのまま行けば今日明日中にも強制撤去作戦が発動されるだろうが、直前に自主撤去する可能性も伝えられている。

今回の闘争の中心を担うのは教育労働者全国協議会(CNTE)である。これは既存の労組である全国教育労働組合(SNTE)の反対派の組織である。
SNTEは、かつてラテンアメリカ最大の労働組合であり、その委員長は与党最高幹部の一人であった。
選挙のときには最強の集票マシンとなった。

したがって、その与党が教育改革を打ち出した時、まともに反撃できなかった。
反撃できないのにはもうひとつ理由があった。幹部が堕落していたからである。
今年3月SNTEの委員長が汚職の疑いで逮捕された。すっかり怯えてしまった残りの幹部たちは、政府の言うがままに改革案を飲もうとしていた。

そこで「たたかう全教」が闘争の主役に躍り出たというわけだ。
そして多くの教育労働者が、所属の違いを乗り越えて闘争に結集してきている。

何か、いかにもどこかで聞いたような話だ。

制度革命党というのは日本の民主党のような政党で、労働組合をバックにしながら一緒になって右傾化し、94年にはアメリカと自由貿易協定を結ぶ。これがきっかけとなって国内産業や農業は破滅する。食い詰めた連中が麻薬に手を出して、国内はとんでもないことになる。
そこで左翼に政権が移行しようとした時、「維新」みたいな右翼が突然PANと現われて、政権をさらっていく。
政権につけなかった左翼は、そこから頑張って、また政権を取ろうというところまでいくが、今度は制度革命党に雨宿りしてしまうという具合だ。
傍から見ていてもけっこイラつくが、それはメキシコの地政学的位置から見てしかたのないことだ。一歩一歩行くしかない。