これは相当深刻な問題だ。

本日の赤旗二面の囲み記事。菅官房長官の10日の記者会見

安倍首相の「汚染水は港湾内0.3キロの範囲で完全にブロックされている」発言について質問された。

菅官房長官は「水は当然、行き来している」と答えた。どことどこを? 当然0.3キロ以遠の外洋と汚染水だ。

これは単純な三段論法だ。

A 港湾内外の水の放射性物質濃度は国際基準を下回っている。(菅長官の言明)

B 港湾内に流れ出た汚染水は、ストロンチウムで10兆ベクレル、セシウムで20兆ベクレルにのぼる。(東電発表)

C ゆえに流出した汚染水の殆どは港湾外に拡散したと考えられる。

これで「完全にブロックされている」というのが嘘だということがはっきりした。

もう一つ、完全にブロックされているというのは、誰かが何らかの方法で完全にブロックしている からこそブロックされているということだろうが、誰がどんな方法でブロックしているのかが分らない。

菅長官の話だと「水は当然、行き来している」とうことだから、実のところ何もブロックしていないのではないか。

記者会見では東電の張った「水中カーテン」(シルトフェンス)完全ブロックの手段だと示唆されているようだが、その有効性の評価はさておくとしても、すくなくとも原理的には「完全なブロッケード」とは言えない。

言ってみれば、網戸で雨風を遮るようなものだ。

もし安倍首相が水中カーテンをさして「完全ブロッケード」と言っているのなら、怒りを通り越して、「完全な物笑い」の種だ。安倍首相は「お笑い」も輸出しようとしているのだろうか。