中国ですごい大捕り物が始まったようだ。

しかも今度は、政府・警察ではなく共産党の中央規律検査委員会だ。

拘束されたのは蒋潔敏という人物で、

国務院国有資産管理委員会の主任という肩書。この委員会は国有企業を統括する重要なポストで、その主任は閣僚級の扱いとなる。

蒋潔敏の前任ポストは「中国石油・天然ガス集団」(CNPC)の会長。いわば産業界の代表から政府閣僚に登ったという存在だ。

蒋潔敏への容疑は「重大な規律違反」である。内容は不明だが、党の規律委員会が直接乗り出すのだから、一般人の犯罪とはケタ違いに重大な容疑となるだろう。

しかもこの捜査、蒋潔敏だけの話ではない。

赤旗によると、

8月末にはCNPC高官4人が取り調べを受けている。こちらは「党・政府」となっているが、中央規律検査委員会が直接出張っているわけではない。「委員会」が指揮してやらせたか、「党・政府」の連絡を受けた「委員会」が査問に乗り出したものかは不明だ。

ということで、CNPCそのものが疑惑の対象となっていることは間違いない。

さらにその背後には超大物がいる。政治局常務委員の周永康だ。

周永康は90年代後半に「中国石油・天然ガス総公司」(CNPCの前身)の社長を勤めた。その後、党中央に上がり、政法委員会書記となり、今度の党大会で習近平をふくむ9人の政治局常務委員の一人に選ばれている。(これは間違い。胡錦濤体制時の常務委員で現在は無冠)

今回の中央規律検査委員会の発表では、CNPCの前副社長2人と、子会社「ペトロチャイナ」の高官2人も取り調べを受けていることが明らかにされている。これらの人物は蒋潔敏ではなく周永康につながる人脈だ。


これはとてつもなく大きな事件となりそうだ。この間の鉄道相の訴追など子供に見えてしまう。