前にも書いたが、未来予測には当面の動きがどうなっていくかというSituation 分析と、より長期の流れがどうなっていくのかというTrend 分析とがある。

どちらに重きをおくかで、たとえば今回の参議院選挙などは見方が180度変わってくる。

Trend といってもそう先まで読めるわけではないが、おそらく10年単位の動きがあるのだろうと思う。

社会意識の流れは現実の社会の動きに10年くらい遅れて現れてくるのではないだろうか。この間勉強してきて分かったのは、社会の動きにプラザ合意と97年ショックという二つの節目があることだ。

三つ目のショックが今起きているような感じもするが、それは4,5年してみないと分からない。

それに合わせて社会意識の流れも方向を変えている。私は今の流れが全体として左に向かっているように思う。

その流れは小泉政権の末期から始まっている。郵政を偽りの争点として自民党が大勝したとき、それはすでに始まっていた。国民が小泉を支持したのは自民党を支持したのではなく、「自民党をぶっ壊せ」という小泉の呼びかけに応えたのである。

それを自民党の勝利と錯覚した保守派は右翼系の政治家を前面に押し出した。そして民主党に大敗した。

民主党の創立者だった鳩山は「民主党は野党でも与党でもない」と言った。メディアからは「ゆ党」と揶揄された。国民は与党からゆ党に移行したことになる。

焦った財界・支配層は連合を通じて民主党に介入し、民主党のトップスリーをパージし、自己の勢力内に取り込んだ。

しかしその結果、だいじに育てた民主党そのものが崩壊してしまった。

自民党を見限った国民は民主党も見限った。自民党の勝利はその限りでのものである。では与党からゆ党に動いた国民の社会意識はどこに向かうのか。左へと流れ始めた国民の意識は止まったのか。

止まってはいない。止まってはいないからこそ、民主党は崩壊したのである。

これが目下のトレンドであると思う。

自民党右翼のリサイクル内閣は、このトレンドが読めていないように見える。国際感覚もひどいものだが、本当にひどいのは社会を漂う閉塞感と無力感、怒りの感情に対する無関心だ。

かつて野党連合の細川政権から、自社さを経て自民党政権に復帰したとき、党幹部ははるかに慎重にトレンドを読んでいた。取り込むべきは取り込んだ。

今の政権にはそのような政治感覚はない。「キャンディーズ・ファンクラブ」の乗りがそのまま持ち込まれている。

彼らが「倍返し」される日は遠くない、と思う。