もう10年以上も前のことになる。北広島で自衛隊機から機銃弾が誤って発射され、住宅地に被害が出た事件があった。
当時私は当別診療所の所長であったが、非常なショックを感じ、診療を終えてから現地の抗議集会に駆けつけた憶えがある。
それを北広島の自衛隊機誤射事件
という記事にまとめた。
自分で言うのも何だが、かなりの力作である。(ちょっと中谷防衛長官を持ち上げ過ぎの嫌いはあるが…)

それから10年もたった今、読んでくれる方がいるというのは嬉しい限りである。
ご本人の許可を頂いたので、メールを紹介する。


はじめまして、数年前まで航空自衛隊で武器弾薬員(戦闘機の武器の搭載、卸下及び整備を行う職種です。)として勤務していた者です。
 
本日、「自衛隊機の北広島誤射事件」についてのドキュメントを拝読しましたが一つだけ気になる点がありましたので、今回メールをお送りしました。
 
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もうひとつは「訓練弾」という表現である.そもそも訓練にのみ用いる「訓練弾」というものは存在しない.発射されたのは明らかに実弾そのもの、すなわち「通常弾頭」であり、ただ炸裂弾などの「特殊弾頭」ではないということだけだと思われるが….
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この文章中の「訓練弾」というのは、TP(Target Practice)と呼ばれる弾種の事で、訓練でのみ使用されます。間違っても実任務で使用されることはありません。
「訓 練弾」と「実任務で使用される弾」は具体的に何が違うかといいますと、TPは弾頭が当たっても何も起きませんが、「実任務で使用される弾」即ち、HEIと 呼ばれる弾種は着弾時に炸裂します。部内ではHEIを「実弾(焼夷榴弾)」と呼称し、「訓練弾」と明確に区別しています。また、このほかにも数種類の弾種 が存在します。
 
弾頭が発射され、人に当たれば確実に命を奪うのは事実ですが、「訓練でのみ使用される弾」が存在するのも紛れも無い事実ですので、よろしければ訂正をお願いします。

ということなので、訂正させていただく。

民間人の常識で言えば、空砲か実弾かという区別になるが、現場では、あたった時に炸裂しない弾丸は実弾ではないということだ。

そのシビアーさもふくめ、勉強になりました。