極東ブログ という finalvent さんのブログには経過が詳しく記されている。

これによると、

毎日新聞の「2013年08月16日19時22分」の記事が内容の点で比較的古く、かつ比較的に詳しい

とされる。ブログ主さんは、

一読して気になるのは、昨年12月の同市教委の措置が今年の8月16日に「ことが分かった」という経緯の背景である。

とし、筆をすすめる。

一部の市民から「間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出された。この陳情は不採択となった。

「市教委が内容を改めて確認」としたところ、「乱暴シーン」が問題となり、同市教委の判断から実施された。

暴力の視覚表現のレーティング(表現内容と対象年齢層とを対比させた表現規制基準による取り決め)としての対処である。

「平和教育として非常に重要な教材だが、過激なシーンを判断の付かない小中学生が自由に持ち出して見るのは不適切と判断した」というのが、教育委員会の公式見解である。

と経過をまとめた上で、ブログ主さんは(そして毎日新聞も)

暴力表現の含まれた視覚作品がレーティングされること自体は一般的である。今回の事例は「はだしのゲン」をその例外とすべきかどうかの判断となる。

と踏み込む。

毎日新聞は二人の識者に判断をもとめる

京都精華大マンガ学部の吉村和真教授は、

ゲンは図書館や学校で初めて手にした人が多い。機会が失われる影響を考えてほしい。代わりにどんな方法で戦争や原爆の記憶を継承していくというのか。

教育評論家の尾木直樹さんは、

ゲンは世界に発信され、戦争や平和、原爆について考えさせる作品として、残虐な場面も含め国際的な評価が定着している。

以下、ブログ主さんが調べた他の各紙の報道から紹介する

読売新聞 8月16日

…文部科学省は「こうした例は聞いたことがない」としている。

…作品には、旧日本軍が人の首をはねたり、女性に乱暴したりする場面があることから、市民から撤去を求める声が上がり、市教委が昨年12月、全校に要請した。(他の報道から勘案すると、この記載は不正確とおもわれる:私)

…出版社「汐文社」の政門一芳社長は「一場面を取り上げて過激だとせず、本質を見てほしい。天国の中沢さんも悲しんでいるはず」と話している。

ブログ主さんは、私と同じように松江市ホームページに行って資料を求めている。しかし私よりまじめにやって、平成24年第4回12月定例会 平成24年第4回松江市議会定例会から関連記事を見つけた。

ただしこれは「市民」の陳情を不採択にした時の議事録である。

最後に、ブログ主さんは、芸術の継承と児童の保護という二つの相反する原則を明らかにした上で、各論的に詰める作業を提唱している。

具体的には、「少年ジャンプ」に連載された第4巻までの内容と、成人知識層を対象とする「市民」「文化評論」「教育評論」に連載された第5巻以降を分けて論じるべきとしており、説得力がある。


ただ、ブログ主さんの言葉を借りるなら、各論に入る前に、「原爆の悲惨さを子供に知ってもらうためであれば暴力の視覚表現はレーティングからは免除される」という“例外の原則”をまず提示すべきではないかと考えられる。

その上で、“例外の例外”を考えるべきだろう。

「まっ白でなければクロだ」という今回の判断は最悪だ。そういう事なかれ主義が、結局平和の芽を摘み取っていくことになる。