友寄さんの書いた連載「多国籍企業と国民経済」の②に、注目すべき一節がある。

もちろん、多国籍企業化は必ず「空洞化」をもたらすというわけではありません。

対外直接投資の増大は、投資財や生産財の輸出の増大をもたらし、国内投資にも連動する。(すなわち国内産業にとってポジティブな効果もある)
しかし、日本の場合は、あまりにも急激に対外投資が増加してきたために、国内の経済成長が停滞しつつあります。

ドイツや米国などの主要国では対外直接投資と国内投資の両方が増加傾向にある。しかし日本においてのみ、国内投資が減少しているのはこのためである。


国内産業にとって、多国籍企業化が全体としてネガティブであることは論をまたないが、ただそのテンポによってはウィン・ウィンの関係を作り上げることも可能だという指摘である。

この一節は、ことのついでに書き加えたという感じで、それ以上の展開はなされていないが、重要な見解と思う。今後、こうした方面からの検討と提言も必要なのではないか。