韓国の映画監督チョン・ユンチョルさんの「いま日本共産党」が話題を呼んでいる。
しかし、70年も前に日本の進歩勢力を高く評価した朝鮮人の革命家がいたことも忘れないでほしい。
ニム・ウェールズ著「アリランの歌」(岩波文庫)に登場する金山(キム・サン)だ。
以前書いた記事(ホームページの「更新記録」)を、以下に再掲する。

2008.02.03
 いまニム・ウェールズの「アリランの歌・ある朝鮮人革命家の生涯」を読み直しています。主人公というか、語り手の金山(キム・サン)の言葉で、うれしくなるようなフレーズがありました。

 私は東京で知り合ったたくさんの日本人が好きだ。1919年の日本では革命階級が育ちつつあった。日本人はよき同志である。日本の共産主義者は誠実で強く、犠牲を恐れず、彼らの大義に情熱的に献身する。
 これまで会った人が、私はみんな好きだ。中国では反植民地闘争が行われているために、共産主義運動です ら民族主義的傾向が非常に強いが、日本の共産主義運動にはこの傾向がまったくない。中国人がするように朝鮮人その他外国の同志を差別することがなくて、実 に国際的な気質を持っている。
 リベラルな日本人と朝鮮人は良い関係にあり、極東地域インターナショナルの精神は、これら日本人の指導の下に生まれつつあった。


この述懐と、中野重治の「雨の新橋駅」とを重ね合わせると、当時の日朝人民の関係がよく分かる。
そして、その日本人の人の良さが、軍国主義者や植民地主義社の跋扈を許し、過ぐる大戦争をもたらしてしまったという、痛切な反省となって染み渡る。