まぁ、“たかが都議選”だから大はしゃぎする必要はないが、「自公圧勝、民主・維新惨敗」というところしか見ないメディアの没思想性も困ったものである。

都議選における共産党の躍進は、全く新しい流れとして読み解く必要があるのではないか。

共産党にもかつてブイブイいわせた時代があった。しかしそれは過去の話だ.

過去の流れの延長線上に捉えれば、たしかに「敵失によるたまたまの勝利」という見方が出てくるかもしれない。

しかしそれではこの変化を見誤るのではないだろうか。

もっと大づかみに70年代という時代と今の時代を比較して、経済構造の変化を把握した上で、考える必要がある。

そして政策的な分岐をクリアーに整理した上で、日本の進むべき道を考えなければならない。

「自共対決」という基軸は、その中で自ずから浮かび上がってくる。

この基軸を視座として踏まえれば、今回の選挙結果は決して“小さな、偶発的なもの”ではない、と言えるだろう。

小状況として捉えても、今回の躍進は全く新しい流れである。

共産党は70年代の共産党ではない。これはイメージとしてだ。

活動家にとては、主観的には首尾一貫した、戦前からの伝統を引き継ぐ政党であるが、周囲の見る目は相当変わっている。

この40年の間に、ソ連・東欧の崩壊があり、スターリニズムは過去のものとなった。

ソ連や中国、北朝鮮を指して、「だから日本共産党は駄目だ」という攻撃も過去のものとなりつつある。

その代わりに、「正しいが無力な党」というイメージが定着しつつある。

「正しい党」が「無力」でなくなればどうなるのか、俄然、民衆の興味を引き付けることになるであろう。

彼らにとって、共産党(をふくむ革新勢力)は全く新しい選択肢として登場することになるだろう。

歴史はつねにジグザグを繰り返す。しかしその中にはまったく偶発的なものと、本質的な傾向を内包したものがある。

そこを踏まえた分析と評論が望まれる。