加藤コミッショナーが記者会見を開き謝罪した。
見た目の印象はきわめて悪い。
隠蔽はなかった、いわゆる不祥事ではない、の言葉が踊っている。
たしかにコワモテで見てくれも悪い。

しかし、ちょっと考えれば分かることだが、加藤コミッショナーという人はいわば“ミスター統一球”だ。
統一球制定に至る過程は「誰がミズノをそうさせたか」で書いたとおりだが、それを実現したのは加藤氏だ。
しかもただ統一したのではなく、それまで飛びすぎたボールを国際標準に合わせる方向で統一したのだ。
各球団やメーカーの利害が絡むこの話を実現まで持っていった力は相当なものだと思う。
それから見ると、事務局長の行いはたんなる独断ではなく、裏切りだ。
裏切りだからこそ、事務局長はコミッショナーにまで隠蔽したのであろう。

コミッショナーがいわゆる不祥事ではないといったのは、そのことを指すのではないか。ことは金や女やセクハラというような話ではない。ガバナンスなどと横文字を使って済ませる話でもない。

ことは、ナンバー2のナンバー1に対する裏切りである。多分、事務局長のウラには誰かがいるだろう。大方ナベツネ辺りだろうが、加藤氏にはそこをあぶり出すまで頑張って欲しいと思う。