企業、経営者が裁判という手段を用いて言論弾圧に乗り出す兆候が現れている。
これまで裁判は社会的弱者が法の下での平等を求めて権力者と争う手段として用いられてきた。
しかしそもそも司法制度はニュートラルなものであるから、逆の目的でも利用しうる。むしろ権力者が意図的に用いるなら、これほど庶民を押さえつけるのに有効な手段はないのかもしれない。

これにいち早く気づき、各種の裁判制度を使って権力をゴリ押ししていく手法を我がものとしたのがアメリカの企業や投資家たちだった。

このブログでもアルゼンチン海軍の練習船を差し押さえようとした金融資本、インドの製薬メーカーを潰しにかかったスイスの製薬会社などがあげられる。

しかし言論弾圧は、その重大性と深刻さにおいて、これらとは異なる次元の攻撃となる。

このブログで、ファイターズの戦術について批判したら、日ハムから訴えられて5千万の請求書が送付されたようなものである。

本日の赤旗に掲載された事件は、注目に値する。

明治大学の野中教授が企業を批判する論文を雑誌に掲載したところ、「名誉毀損」で訴えられた。

事件の相当中身は膨大になるので、ここで紹介するのはいささかしんどい。

赤旗のホームページに掲載されれば良いが、やはり購読していただくしかないだろう。

損害賠償の請求額は5500万円。明治大学の教授がおいそれと払える金ではない。

明らかに脅しである。「私たちを批判すると身を滅ぼすことになりますよ」ということだ。

こういうのをスラップ訴訟というのだそうだ。アメリカではよくあるようだ。

赤旗の説明は以下のとおり

企業等がみずからの不法行為を取り上げ取材活動しているジャーナリストや弁護士、公共団体などに対して、名誉毀損で巨額の賠償金を請求する裁判。アメリカでは、禁止する州もあります。

以下は、野中郁江教授の談話

ファンドに関わっていま、証券市場の規制がどういう役割を果たせるか、が問題になっています。
この分野の研究は、私の従来の研究テーマであるとともに、大学教員としての社会貢献活動でもあります。
こうした不当な訴えを許せば、研究も社会貢献活動もできなくなります。
ファンドの問題点について論文を書いて訴えられれば、研究そのものが萎縮させられます。学問の自由を守るためにも、社会的に包囲する運動を進めたい。


最後に
野中教授は、提訴そのものが違法だとして裁判を提訴(反訴)しています。
とのことだ。
なお「守る会」の連絡先は以下のとおり
03・3668・5542(全労連・全国一般東京地本)