内田光子のモーツァルト・ピアノソナタがかなりまとまってYouTubeで聞くことができる。ただし低音質ではあるが、ただなんだから我慢するしかない。
K333までの曲は悪くないが、ただし誰が弾いても良い曲だから、すごいという感じはしない。といってもベートーヴェンっぽい曲だと乗ってくるようだ。たとえばK310なんかはいいですねぇ

ところが、K500番代になるとどうもぱっとしない。
たとえば最後のK576は、出だしがポストホルンの音階で、それを対位法的に処理していくところに妙味があるのだが、内田は祇園精舎の鐘の音みたいに殷々と響かせるから、曲全体が何のことやらサッパリわからなくなる。
これをグルダと聴き比べると、とても同じ曲だとは思えない。

K570のアダージオなんか、まるで童謡を聞いているようだ。「おいおい、それがモーツァルトかい」と言いたくなる。

内田のベートーベンの作品110とか111は良い演奏だと思うが、枯れた後期ベートーヴェンと、30歳代半ば、フェロモンばりばりの後期モーツァルトは全然違うはずだ。後期モーツァルトの曲には過剰なロココ装飾をそぎ落とした分、はっきりした主義主張があると思う。

それにしても「内田サダコ」の絵は見たくない。とくに夜寝る前は…
ついでに、
グレン・グールドのモーツァルトなんてのは男ストリッパーみたいなもんで、見たい人は見たいんだろうが、あまり人前では吹聴しないほうがいいと思う。