雇用流動化を押し付けているのがアメリカの財界であることが、しだいに明らかになってきた。
なぜアメリカはそれを押し付けるのか。
赤旗連載「米国従属経済」によると、
それは1980年からの20年の間にアメリカで実際にそれが行われ、企業側から見て大成功したからだ。
そこでアメリカの財界は日本で、柳の下のどじょうを狙っているというわけだ。
まぁ、話はそう単純なものではないが、そういう側面はある。

ということで、記事によると、

①機関投資家による企業株式の大口所有が増加し、株主による企業経営への影響力が高まった。
②機関投資家は、何よりも収益性を重視し、企業合併や買収(M&A)を猛烈に展開した。
③企業は収益性を確保するため、コスト削減と生産効率の上昇を最大のターゲットとするようになった。

という企業風土の激変がまずある。
この目的にそってリストラが行われ、企業のありようは様変わりした。
①ダウンサイジング(減量経営)と呼ばれる不採算部門からの撤退が一斉に行われた。
②そこではとくに人員コストの削減が重視され、黒字であっても人員削減をする企業も現れた。IBMで6万人、ボーイングで3万人の解雇が行われた。
③これと並行して正規労働者の非正規への置き換えが進められ、正規労働者も知識・技能に応じて細分化され、賃金格差が拡大した。
④さらにアウトソーシング(外注化)も強化された。従来は基幹部門とされた事務、販売、研究開発まで外部委託されるようになった。派遣サービスの雇用者数は20年間で54万人から372万人に増加した。

こうやって、アメリカの大企業は収益力を高めた。そのやり方を日本に持ち込めば、日本の市場を席巻できると考えたとしても不思議ではない。

したがって、「雇用の流動化」は日本の一般民衆にとってのみならず、大企業にとっても自殺行為となる可能性がある。

今回の連載は、けっこう内容があります。これまでも何回か対米従属に関する連載がありましたが、紋切り型で二番煎じの内容ばかりでした。
柳沢記者のがんばりを評価したいと思います。