慰安婦制度をこのように位置づけると、当然、「慰安婦制度などというものは存在しなかった」という反論が出てくるだろう。
この反論こそが、林先生の待ち望んでいた所で、後段では慰安婦制度の体系を展開し、その存在を立証する。

A.日本軍としての「慰安婦」制度の場合、
①軍が「慰安所」設置の計画・立案を行った。軍は兵員数から必要な女性の人数を計算して計画を立てた。
②軍がブローカー(業者)を選定し依頼した
③軍が資金を提供した
④軍が女性たちの輸送を行った。 軍は軍用の輸送手段で海外に連れ出した。
⑤軍が「慰安所」の建物・資材を提供した。軍が「慰安所」の必要物資を提供した。軍が「慰安所」を管理した。
以上が、「慰安婦」制度が存在したと主張する論拠である。紙面の関係もあり、きわめて簡潔に述べられているが、それぞれについて動かぬ証拠があるとみられる。

B.日本軍が時と場合において行った行為
林さんはこれに付け加えて、特殊状況下での日本軍の行いとして
①軍はしばしば、みずから女性集めを行った
中国や東南アジアでは暴力的に拉致してくることもあった
とする

これで見ると、安倍首相が用いる「強制拉致はなかったから、慰安婦問題はなかった」という反論が、「慰安婦」制度の本質をわきまえない詭弁にすぎないことがよく分かる。