ワルター・クリーンのブラームスのワルツを聞いて思わずため息が出た。
あの有名な作品39の15である。あっという間に終わってしまうから、終わった後の静寂を楽しむほかない。

1959年の録音というから古いには古いが、それほど古いわけではない。廉価盤でお馴染みのVox レーベルである。
しかしビロードの肌触りの懐かしさが詰まっている。洋間のカーテンを開けた時に、午後3時の光の帯に舞う埃りの匂いがする。そうだ、3時でなくてはならないのだ。
MrCapasitorss kanal さんという人がクリーンの演奏を大量にアップロードしてくれている。
絵は静止画で収録されたレコード・ジャケットの写真。ことごとくにクリーンのサインが入っているから、相当のフリークだったようだ。

このレコードはいわゆる名曲集で、月の光、トロイメライ、愛の夢などが詰め込まれている。みんないい。