安倍首相の一連の発言の中で、いちばんバカバカしいのがこれだ。

「侵略という定義は、学問的にも国際的にもまだ定まっていいない」

この人は、非常に歪んだ論理の持ち主だと思う。慰安婦問題の時にも「強制連行といわれるもの」はなかったと、逃げを打ちながら開き直る。

三文評論家が論争の時によく用いる手だが、一国の首相が用いるべきレトリックではない。もし信念を披瀝しようとするなら「日本は侵略をおこなっていない」と堂々というべきだ。

隣の子に平手打ちを食わせたガキが、「俺は殴っていない、拳を固めて相手の顔面に叩きこむようなことはしていない」と責任を回避するのに似ている。

卑怯かつ姑息だ。このような人間を「美しい日本」の首相にいただくことは、まことに不本意である。

おおかた「おれは天皇陛下万歳などとは言っていない、ただ両手を上に上げただけだ」とでもいうのだろう。

確かに、侵略という言葉には、立場によりさまざまなニュアンスの違いがある。
しかし、首相はこの言葉に続けて、次のように語るべきであろう。
「さまざまな定義のどれをとっても、まちがいなくそれは侵略戦争であった」