総務省の労働力調査で、完全失業率が0.2%減ったと発表された。
こんな数字が参議院選挙で「アベノミックスの成果」と宣伝されないために、事実を明らかにしておく必要がある。

たしかに完全失業者数は前月に比べ17万人減少し267万人となった。完全失業率(就業可能者に占める割合)は4.1%となっている。

しかし
①就業者は1万人減っていいる。少なくとも増えてはいない。失業率が下がったのは失業者が就職できたからではない。

では17万人はどこへ行ったのか?
②就業も求職活動もしていない非労働力人口が17万人増えている。ぴったんこで符合する。

もうひとつ、就業者が1万人減ったが、その1万人はどこへ行ったか。
③新たに仕事を探し始めた人は12万人減った。つまりこの間に失業した人は、就職を諦めたことになる。

つまり、失業者の中でそれなりにもがく人の割合が減って、諦める人の割合が増えたから「完全失業率」が下がったのであって、むしろ事態は深刻化していると見るべきである。

就業者の中身も劣悪になってきている。
④非正規雇用率は引き続き上昇し、36.7%に達した。

いっぽう有効求人倍率は、1年前から0.1%上がり0.86倍に達したが、上昇しているのは、宮城、福島などの被災地であり、埼玉、千葉、神奈川など分母の大きい県では、求人状況は0.6倍程度にとどまっている。