マツダ争議団のホームページで次の記事を見つけた。

かなり分かりやすいので紹介しておく。記事そのものは、2013年4月7日付 山口民報よりの転載である。(山口民報は共産党山口県委員会の発行する新聞。中国盲従分子との闘いで懐かしさを感じる新聞だ)

マツダ派遣切り訴訟 山口地裁勝利判決の意義と今後の課題

Q.ずばり、本判決のポイントは?

A.本判決の判断の過程には、2つのポイントがあると思います。

1つは「特段の事情」の判断に関してです。

本判決は、松下PDP事件最高裁判決を前提にしているところに特徴があります。

その上で、

マツダは「常用雇用の代替防止という労働者派遣法の根幹を否定する施策を実施していた」

「形式的には労働者派遣の体裁を整えているが、実質はもはや労働者派遣と評価することはできない」

などとして、「特段の事情」があると判断しています。

私たちの主張していた「常用代替の防止」や「派遣労働者の保護」という労働者派遣法の趣旨・目的を、裁判所が正しく理解した上で判断していることがポイントです。

 もう1つは、(以下略)。

Q.本判決が踏み込んだ結論を出した実質的な理由はどこにあったのでしょうか。

A.そもそも弁護団の考えでは、「特段の事情」がなくとも「黙示の労働契約」が認められるが、やはり「特段の事情」が認められた方が認められやすいという判断です。

本判決は、「特段の事情」があると判断する過程で、

「労働者派遣法には罰則規定の適用がなく、…現実にサポート社員を経験した派遣労働者を保護することができない」

「組織的かつ大々的な違法状態の創出に積極的に関与した被告の責任を、事実上不問に付すことになる」

などと判示しています。


最高裁判決の「呪縛」を打ち破るもの

最高裁判決は、「違法派遣も派遣である」と判示しました。(これについては、私の前項を参照されたい)

しかし、平成24年改正前の労働者派遣法には、労働者を直接に救済する規定はありませんでした。

これに囚われていては違法派遣の犠 牲者を救済することは出来ません。

本判決が踏み込んだ結論を出した実質的な理由は、少なくとも平成24年改正前の労働者派遣法では、「違法派遣も派遣」という 最高裁判決の呪縛を解かない限り労働者を保護できない、という価値判断があったと考えられます。(以下略)


ようやくスッキリした。1週間ぶりの便秘解消、「話が見えてきた」。