国連の不思議な対応

大量虐殺に対する国連の対応はぶれまくりました。ぶれた理由を一概に非難はできません。とにかくそういう時代だったんだというほかないのかもしれません。何が正しくて何が間違っているのかを誰も言えない時代ではありました。

とくにソマリアでのアメリカ特殊部隊隊員の虐殺と、それに続くクリントンのソマリア撤退命令は、「世界の正義を誰が守るのか」という疑問を抱かせるものでした。

ベルギーは隊員10名の虐殺を受け国連軍からの撤退を決めました。安保理はベルギー軍の撤退を受け、軍事要員を270名に縮小しました。一番増強しなければならないときに撤退命令を出したのですから、現場は大混乱します。ある意味でそれが100万人大虐殺を招いた最大の原因とも言えます。

5月に入ると現地の状況が大変なことになっていることが分かってきました。安保理はUNAMIRを再増員することを決め、各国に計5,500名の軍事要員派遣を求めましたが、時すでに遅しです。もう殺されるべき人の殆どは殺されていました。