「イラク帰還自衛隊員の自殺」に関する資料を集めてみた。

まず最初は、07年11月、照屋寛徳議員による質問である。

 

質問は要旨以下のとおり

イラク、インド洋、クウェートなどに派遣された自衛官の自殺等による死者が多数に上っているらしい。以下、質問する。

①イラクに派遣された自衛隊員のうち、在職中に死亡した隊員の数、そのうち死因が自殺であった者の数。

②インド洋、イラク、クウェートなどに派遣された経験者で、帰還し、退職した後に、精神疾患になった者や、自殺した隊員の数。

これに対する答弁書

07年10月末現在の数(イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法に基づき派遣された自衛官を対象とする)

 

陸自

海自

空自

派遣隊員数

5600人

330人

2870人

在職中死亡者

14人

20人

1人

うち自殺者

7人

8人

1人

うち病死者

1人

6人

0人

うち事故・不明者

6人

6人

0人

 

防衛省として、お尋ねの「退職した後に、精神疾患になった者や、自殺した隊員の数」については、把握していない。


自衛隊員の自殺率は高い。別の答弁書では以下のようになっている。

自衛官(事務官を除く)の自殺者数は、平成16年度94人、平成17年度93人、平成18年度93人であり、平成18年度の自衛官の自殺による死亡率は十万人当たり38.6人である。

なお日本全体の自殺率は23.8%、男が33.5%を占めるが、自衛隊員と同年代でははるかに低い。


この問題がマスコミに取り上げられたのは、12年9月27日の「東京新聞」らしい。

イラク戦争に関連して、中東へ部隊派遣された自衛官のうち、先月までに25人が帰国後に自殺していたことが防衛省への取材で分かった。陸上自衛隊は19人、航空自衛隊は6人に上る。

自衛隊全体の2011年度の自殺者は78人で、自殺率を示す10万人あたり換算で34.2人。イラク特措法で派遣され、帰国後に自殺した隊員を10万人あたりに置き換えると陸自は345.5人で自衛隊全体の10倍、空自は166.7人で5倍になる。(編集委員・半田滋)


一方、自殺の原因としていじめを指摘する報道もある。

08年2月7日号週刊文春で

自衛隊員100人の自殺 横須賀海士長が遺した『内部告発』

という特集が組まれている。

不条理日記さんから転載させていただく

その中の1ケース

クウェートに選抜派遣されていた航空自衛隊の隊員が、幼い子供を残して自宅で首吊り自殺した。この隊員は帰国前に知人に、「やっと帰れる。でも帰りたいが、帰りたくない」というメールを送っていた。

日本で待ち受けていたのは先輩から暴行や陰湿な嫌がらせだったのである。上層部はいじめに気付きながら見て見ぬ振りをしていたという。

この手の話はよくわからないが、帰還隊員が自殺したからといって戦地でのストレスが原因とは限らないということだ。ただ帰還隊員が周囲から、「イラク帰りだからといって、粋がるんじゃねぇよ」などと、特別視されていた可能性はある。


自衛隊員の自殺率が高い原因として、いじめを指摘する声は高いが、ただしこれはイラク派遣者が非派遣者に比べ自殺率の高いことの説明にはならない。

下記は、先ほどの東京新聞からの引用である。たしかに一応の説明にはなっているが…

イラク派遣された陸自は宿営地で十三回、計二十二発のロケット弾攻撃を受け、うち四発が宿営地に落下した。車両で移動中、仕掛け爆弾による攻撃も受けた。

空自は武装した米兵をバグダッドへ空輸する際、たびたび携帯ミサイルに狙われたことを示す警報が鳴り、着弾を避けるため、急旋回などの飛行を余儀なくされた。

過酷な環境下で任務遂行したことになるが、前出の担当者は「心的外傷後ストレス障害(PTSD)で自殺した例は確認できていない」としている。 

ただ、自殺するほどのストレスかといわれると…

とりあえずは、複合的なものと考えるしかないだろうな。