91年10月 第4回共産党大会

ちょっと時期が前後しますが、10月にサンチアゴで開かれたキューバ共産党第4回大会は、「危機の時代」への基本的な対応方針を決めた大会として非常に重要な意味を持っています。

カストロは冒頭演説で、「キューバは世界の進歩と民主主義,革命の旗手となった。ソ連と東欧のうしろだてはなくなったが,困難の中でも独立と革命を進める」と述べます.さらに中央集権的な計画経済体制を維持すると表明します.

大会は、①イベロアメリカ諸国との関係を強化する.②一党制を維持しつつ、国会・地方議会議員の直接公選制を実施する、ことなどを決議しました。しかしもっとも大事なのは経済決議です。抜粋をホームページに掲載しているので、目を通していただければと思います。

①基礎食料の一日も早い自給体制、②バイオの分野に力を注ぎ世界市場進出を目指す、③治安の良さ,衛生的な環境などの優位点を生かし、観光を振興する、④従来型の輸出産業をひきつづき重視する、⑤スポーツ,芸術などに関連した製品や,サービスの開発、⑥外国からの投資を奨励する。投資受入れの形態は多様であってよい.

全ての企業は,外国との貿易を振興することなしに,みずからの成長はありえないと知るべきである.輸出できるものはないか,輸出競争力を高めるにはどうしたらよいかを常に念頭においていく構えがだいじである.

今日のように資源がきわめて限られている状況の下では,出来るだけこれを中央に一本化し,計画的に配分しなければならない。社会主義経済(統制経済)の建設は、生き残りのため決定的である.

怠業,稼働率低下,生産・販売のルール違反など各種のあやまった風潮が生まれることは避けがたい.厳正な対処がもとめられるが、労働への情熱を常に高め組織していく努力がまず必要である。この点でとくに労働者党員の役割に期待する.これは党のもっとも崇高な任務である.

インフレは労働生産性の向上を阻害し,投機や労働意欲の低下を生むのみである.消費を抑えると同時に,通貨発行量を抑え,経済を軟着陸させなければならない。

とくに最後の項はすごいものです。理屈ではたしかにそうですが、これはまさにハードランディング以外の何ものでもありません。普通はこんなオーセンティックなことをやる政府は、民衆の反乱によりつぶれるのが当たり前です。

もちろん相当強権も発動したのでしょうが、決定を忠実に守る党員が分厚く存在したからこそ、そしてそれら党員が民衆から信頼されていたからこそ、この政策が遂行できたのだろうと思います。