3月14日の記事で、「放射性物質は不発弾のまま残っている。脆弱性はそのままに残されているから、わずかの自然災害でも大事故に結びつく恐れはある」と書いたが、それがほとんどお笑いのような形で実現した。
「泰山鳴動して鼠一匹」というが、鼠一匹が泰山を鳴動させたのである。

事故の概要は以下のとおり
①停電事故が起きたのは3,4号機共用のプール冷却システム回路。工事の都合で1号機の回路にも電源を供給していたため、1号機にも影響が広がった。
②とくに大量の核燃料が貯蔵された4号機(震災時定期点検にて停止中)では,水温が6度上昇し、緊急に外部注水を行った。
③1,3号機では高放射線量のため、くわしい実態は把握されていない。

今日の赤旗では、間宮記者が背景を解説している。
これによると問題点は以下のようなものである。

①配電盤は建屋付近に止めたトラックの荷台に載せられていた。これは事故後2ヶ月目に設置されて以来、そのまま使用されていた。
②配電盤にはケーブルを引き込むための隙間があった。ネズミや鳥などの侵入予防はこの種設備では常識。
③ほぼ同時期に免震重要棟で瞬間停電があり、現場点検に入ったとき冷却停止が発見された。点検がなければ、発見は遅れていた可能性がある。
④冷却再開には29時間を要した。これは代替電源が用意されていなかったためである。
(なお「雑草で排水パイプに穴」というのは、これはこれで重大な問題ではあるが、“周辺的”事実である)

千年に一度の大津波なら“想定外”と言い抜けることも出来るが、鼠一匹を“想定外”とするようでは終わっている。笑って済ませる話ではない。

明らかになったのは、笹子トンネル並みのずさんな安全管理体制である。笹子トンネルでも多くの人命が失われているが、事故が起きたときの影響は比較にならないほど深刻である。

原発のようなトップリスク設備での安全設計は、教科書的に考えればより強力なものでなくてはいけないはずだ。そもそも安全設計が存在していない可能性すら想起させる。最低でも第三者のスーパーヴァイジングが必要ではないだろうか。

それにしても、関東大震災の避難訓練などではなく、福島の大量放射能流出を想定した首都避難訓練が必要だ。松代大本営でも再建するか。