ハンス・シュミット・イッセルシュテットがあまり、ベストテンにランクされて来ないようなので、ネットであたってみた。
日本人にはイッセルシュテット好きが意外に多いようだ。

質朴だとか端正だとか淡白だとか言われているが、違うような気がする。生い立ちからしてベルリン生まれのアーバン・ボーイであり、金持ちのボンボンである。基本的にはおしゃれなのである。田舎出の濃い味付けや、自己陶酔は野暮と心得ている。

誰かが書いていたが、おそらく耳の極端に良い人で、耳で指揮していく音響ミキサー・タイプの人なのだろう。その点ではサヴァリッシュと似ているのかもしれない。

そのうえで楽団員の長所を見ながら、音を引き出していく。そうすればそこから音楽は湧き出てくるはずだ。それを紡いで、積み重ねていく。テンポとリズムだけはきちっと守らせる。そういう匠の技を持っているのではないか。ベートーヴェンの第8番は、そうやって奇数番を上回る力作に作り上げられている。こんな第8、聞いたことがない。

イッセルシュテットは、「演奏からできるだけ主観的なものを取り除き、作品そのものによって音楽を語らせる」と言っていたようだが、これだけなら、誰でもそう思っているし、そう言う。ゲルギエフだってそう言うだろう。

“作品そのもの”というところを“楽団そのもの”、あるいは“楽器そのもの”と置き換えると、話が見えてくる気がする。

HSイッセルシュテット.html

というページは、イッセルシュテット讃が書き込まれている。面白いが、実に長大な論文である。

ハンス・シュミット・イッセルシュテット(1900~1973)

このページにはイッセルシュテットの経歴が詳しく書き込まれていて、彼の人柄が忍ばれる。その中で、大岡昇平のイッセルシュテット評が短く要を得ていると思った。
1989年に没した小説家・大岡昇平は、戦前、『ディスク』誌にしばしば音盤評を寄稿していたが(小説家としてデビューする前のことである)、
「この人の指揮には無理が無い、そしてしゃんと面白さというものを引き出す事を心得ている。豊富な音楽の国ドイツでなければ生まれない、音楽を楽しみ楽しませるという事を身につけた人である」
云々と評している。
交響曲全集、管弦楽曲集 シュミット=イッセルシュテット&北ドイツ放送交響楽団(4CD)

交響曲全集、管弦楽曲集 シュミット=イッセルシュテット&北ドイツ放送交響楽団(4CD)

HMVのホームページにこのCDが売りに出されていて、なんと 
だそうです。

なにか許せない感じがしてきます。