これまでバッハのパルティータといえば、グールドの専売特許みたいなものだった。
デッドな環境でポクポクと鳴るピアノとグールドのうめき声、面白くもなんともなかった。
ところがソコロフのパルティータを聞くと、ピアノの筐体の音が聞ける。箱ごと鳴ってこそピアノというものだろう。
おそらくピアノを響かせるために遅いテンポをとっているのだろう。ペダルもタップリと使っている。
さすがにテンポを揺らすところまではやらないが、フェルマータはたっぷりとっている。
タッチはあくまでも柔らかで、強奏部分も指力だけで弾ききっている。腕力に自信がないとこういう音は出せないだろう。