経団連は「実質的な賃金は上昇している」、物価が下がっているのだから「生活水準が低下しているとの主張は適切ではない」と言っているそうです。(2013年版 経営労働政策委員会報告)

これは、きわめて単純に給与総額の低下を物価指数で割れば答えが出ます。

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1997年(平成9年)の民間給与は467万円、このグラフでは2011年までしかないので11年の給与が409万円、差し引き58万円の低下、これを467万で割ると、マイナス12.4%です。
消費者物価指数は97年に比べ年平均値で約3%の低下ですから、とても引き合うもんではありません。

ただし、これをドル換算にすると俄然話は違ってきます。どういうわけか1997年の円相場の平均が120円ちょうど、12年の平均が80円ちょうどですから、円の価値は1.5倍となっています。給料が1.5倍になれば、5%や10%程度の差はぶっ飛んでしまいます。
しかし円高差益はほとんど消費者物価に反映されていません。これは一体なぜでしょうか?

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日本総研リサーチアイのレポートから転載したものです。

国際商品のドル建て価格は7年間で2.1倍になっていますが、円換算にすると1.4倍となります。これが円高差益が消えた部分と相殺されるかどうかはわかりませんが、ひとつの要素ではあるようです。

「輸入物価の上昇が続くなかで、円高効果は輸入インフレの緩和にとどまり、輸入品の値下げを通じた需要喚起には至らな」かったというのがこのレポートの趣旨です。

しかしこのことを全面的にソロバンを入れて分析したレポートはまだ見つけていません。