正しいマクロ指標と言ったって、そんなものはない。
結局は恣意的なものになる。
一つは、境界域の数値のうちのどれをとりどれを捨てるかということであり、もうひとつはガチガチの主要指標のうち、どれに重きを置きどれを軽視するかという選択である。

これを仮にAセット、Bセットとしよう。
Aセットは先進国、つまり勝ち組パターンである。これはGDP至上主義である。そして貿易収支と財政均衡を健全性の指標に組み合わせる。
このAセットは途上国の多くも基本的に採用している。しかしこれは勝ち組がさらに勝ち続けるための情報であり、途上国評価には必ずしも適当ではなく、ときには有害ですらある。
先進国マクロに示されないところに耐え難い矛盾が蓄積し、最終的には政治不安へと結びついてしまうのである。
これに対しBセットは国民生活重視のセットである。GDPを重視することは同じだ。
しかしGDPは国民搾取の指標でもある。したがってGDP成長と照応した、勤労者所得の成長、ジニ係数の低下が必須である。
もちろんインフレを招くようなバラマキはいけないが、最低賃金のかさ上げと、失業対策により、下位5分の1層に力を集中することで、それはかなり可能だ。
財政マクロはたんなる指標ではなく、政治課題そのものだ。そもそもまともな徴税システムなどないのだから、「調整」で済むようなレベルではない。
彼らはかなり強力に手を打っている。なかでも、徴税システムの変革により外国資本の徴税逃れを阻止しようとの動きが共通している。
貿易・資本取引は途上国にとってもっとも厄介な問題だ。途上国には発展のための資金が必要だ。しかし途上国への投資を金儲けの手段と考える自由主義経済が足を引っ張っている。
UNASURなどが、途上国同士の相互支援策を打ち出しているが、本来はUNCTADとかがもっと力を発揮して、国際的にWIN-WINの関係を作って行かないと解決しない。途上国への支援はもっと政治的な配慮が必要だ。
ということで、ちょっと話がそれたが、経済マクロといっても先進国セットで途上国を評価するのは大きな間違いにつながるということだ。
さらにいうなら、先進国と言えども、もはやAセットのみで経済を評価するような思考を止めなければならない時期に来ていると思う。