去年は、南米にとって選挙の年だった。
選挙を前に、随分南米の民族主義政権に対する批判が集中した。
「赤旗」さえ、ベネズエラのチャベス政権が誤った経済政策により危機に瀕しているかのような報道をしたくらいだ。
その根っこには日本のエコノミストによる歪んだマクロの評価があったと思う。
「亀は自分の甲羅に似せて穴を掘る」ということわざがまさにぴったりだった。
このマクロ経済観の歪みが結局、今の日本経済に対する“とんでも対処法”に表れている気がしてならない。
戦後の高度成長期においては、GDP至上主義だった。ほかのマクロの諸指標などまったく考えなかった。GDPの成長がすべてを解決してくれると信じていた。
それがオイルショックとプラザ合意を経るなかで、安定成長と自己資本の増強とに軸足が移っていった。ここから企業の「利己主義」が肥大し始める。企業は「日の丸」をおろし、代わりに自社の社旗を掲げ始めた。
不動産バブルが終焉し、大量の不良資産を抱え会社の存亡の危機に立たされると、この傾向は一気に加速された。不思議なものでみんなが「利己主義」に陥ると、それが日本全体の意志であるかのように考えられ始めた。
一国の経済マクロは、大企業の経営マクロの総和であるかのように考えられ始めた。今ではかつての日の丸船団の司令官であった通産省→経産省さえ大企業保護策=日本の経済政策であるかのように考えるようになっている。

お馬鹿さんの外務省は、それをそっくりそのまま日本の国策であるかのように捉らえ、海外で企業の旗振り政策を推進している。
彼らはベネズエラのチャベス勝利も、エクアドルのコレア大統領の圧勝もまったく読めなかった。完全に経済マクロを読み違えていたのである。
ただの反共宣伝だけだったら、負けても良いのだ。デマをまき散らして後は知らんぷりというのならそれで良い。しかし本当は国策がかかっている分析なのだから「間違えました。ごめんなさい」で済む話ではないはずだ。
大使館は週刊文春ではない、国の税金を使って少しでも正確な情報を集めることが任務なのだ。それが私の如きスペイン語も読めないような素人に負けるなどとは、恥ずかしいとは思わないのか。給料返せよ。