共産党がこのほど「働くみなさんへのアピール」を発表した。非常に説得力のある文章で、ぜひ広げていく必要があると思う。
そこで、当然発せられるであろう質問に対応すべく、データを補強しようと考えた。

補強になっているか、かえって足を引っ張っているか、分からないが…

まず第一節「世界でも異常な賃下げと雇用不安」というところから

1.世界でも異常な日本の現実

①賃金が長期にわたって、連続的に減り続けているのは日本だけ(OECDデータベース)

97年を100とした雇用者報酬はイギリス190、アメリカ178、フランス163、ドイツ129。これに対し日本は88

②最低賃金は最低水準である(2012年OECD購買力平価による比較)

時給円換算でイギリス928円、アメリカ753円、フランス1084円。これに対し日本は全国平均で749円。

③非正規雇用の比率が極めて高い(OECDデータベース)

イギリス5.7%、フランス13.5%、ドイツ14.5%。これに対し日本は35.5%。

(若者と女性では50%に広がった)

2.この異常は過去15年の間にもたらされた

①勤労者の平均賃金は97年のピーク時より年収で70万円、12%減少した。

②非正規雇用は15年前は労働者全体の1~2割程度だった。

③非正規雇用の増加が平均賃金の低下をもたらしている。

(労働者のうち1千万人以上が年収200万円以下)


というのが骨子。

Honkawa Data Tribune という奇特なサイトがあって、とても重宝しています。

とりあえずはそこから拾えるものをひろってみます。

非正規雇用の実態

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非正規比率が上昇したのは、非正規が増えたのと正規が減ったのがほぼ同じ数であることによる。総数が同じ中での上昇であるから、その影響は2倍になって効いてくる。

それは97年を境にして始まり、2005年まで継続して進行し、その後はそれが固定されている。

非正規の内容の劣悪化はこのグラフには示されない。09年にリーマン・ショックのあと大量の派遣切りがあったが、グラフ上の変化はない。

非正規雇用者の内訳

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圧倒的多数を占めるのは女性のパートタイマーである。女性パートタイマーが労働市場の最終的緩衝材となっていることが分かる。

男性の場合は契約社員・嘱託とアルバイトに二極分化している。


リーマン・ショック後の労働事情(08年と12年の比較)

①パート・アルバイトは男性が25万人増の268万人、女性が80万人増の969万人となった。

②派遣は男性が24万人減の35万人、女性が31万人減の54万人となった。


最低賃金の国際比較


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おなじみの絵である。最賃のみで低所得を説明することは難しい。ポルトガル、ギリシャ、アイルランドなどの国が高所得とはいえない。日本は以前から最賃の低さでは引けを取らなかったが、だからといって低所得であったわけではない。

最賃の低さが呼び水となって、非正規労働の増加をもたらしていることは間違いないから、両者の掛け算として低所得層の増加を見ておくべきであろう。

最賃をあげることは、勤労者の所得をあげるためのかなり有効な手段といえる。