多分まもなくニュースの世界から消えてしまうと思うので、少し情報を集めて経過上のポイントを整理しておきたい。

なお私はここではパワハラという言葉を使わない。そんな横文字は使わないほうが良い。これはただのハラスメントではなく、明白な暴行事件なのだから、被害届が出れば立派な刑事事件なのだから。


9月に全柔連は選手関係者の告発を受けた。全柔連は調査の上「厳重注意」処分。しかし園田監督は11月末まで謝罪をおこなっていない。

11月10日に処分が発表され、その翌日にトップ選手15人によるJOCあての「告発文書」が作成された。しかし実際に提出されたのは12月4日だった。

選手たちはまず暴行に怒り、ついで全柔連の甘い処分に怒り、最後に園田監督の「謝罪」でぶっちぎれたという三段階だ。

JOCは当初「告発文書」を重く受け止めなかった。しかし12月25日の女性スポーツ専門部会の要請を受けて、深刻さを感じ指導を強めた。

全柔連はJOCの指導を受けて再調査を施行。「告発文書」の内容が“事実に近い”と判断した。しかしその「著しい反倫理性」は認めなかった。

1月19日、二度目の「注意処分」が発表された。園田監督は続投となった。報告を受けたJOCは25日にこれを了承した。これは選手側にとって4回目のブチギレとなった。今度は園田-全柔連-JOCの串刺しである。

1月29日に「告発文書」がリークされた。事件はスポーツ界の外、一般常識の世界に飛び出した。まさにその時大阪のサッカー部主将の体罰・自殺問題が発生した。柔道メダリストの強姦事件の裁判が最終版を迎えた。

園田監督は辞任を発表し、全柔連はこれを受理した。園田監督は記者会見を開き、「辞任すりゃァいいんだろう」と開き直った。全柔連は頬っかぶりだ。JOCに至ってはまるで他人ごとだ。これも15人の怒りに火を注いだ。5回目の怒りである。

2月4日、強化選手たちは声明を出して、あらためて全日本柔道連盟の刷新を要求した。

スポーツ・ニッポンの経過表より)

マスコミの興味は誰が告発したのかという芸能番組感覚だが、告発文書の内容は意外に報じられない。それ以上に「著しい反倫理性・反社会性」と、「五輪ムラ」の良識の欠如への指弾の姿勢は感じられない。

メダル獲得を煽ってきたマスコミの共犯者意識がそうさせるのか、スポーツ担当部門の発言力に対する恐怖なのか…


彼女たちの怒りは、この経過の中に示されているといっていいと思う。つまり「民主主義の欠如」だ。

彼女たちがためらいながらも、次のステップに進んでいく原動力は、理不尽さへの怒りだ。

現場からの不信任の声をコケにして、ヒラメのように上ばかり見ている連中への義憤だ。これは「スパルタカスの反乱」だ。