知らなかったが、中国は12年間ジニ係数を発表して来なかった。
ためらったのも無理はない。たしかに社会主義国にあるまじき経済格差だ。しかも格差は広がっている。
今回発表に踏み切ったのには、12年度のジニ係数がピーク時に比べてやや減少したためだろう。

00年

0.412

03年

0.479

08年

0.491

12年

0.474


社会不安が生じる警戒ラインは0.4とされる(ちなみに日本は0.329)

赤旗によると、これは実際の格差を反映していない可能性もある。
先月、ある研究センターが実施した調査によると、2010年度のジニ係数は0.61に達したとされる。
この理由は高収入家庭の“灰色収入”を反映していないからだという。“灰色収入”とは“違法ではないが正規の賃金でもない収入”を指している。

ということは中国の社会不安は、過去十年にわたって続いており、ますます臨界状態に近づきつつあるということになる。

ただ、鄧小平路線というのは格差拡大を承知のうえでやってきたのであり、たとえ格差が広がっても、最貧層でもそれなりに生活が向上すれば、それで良いという路線だ。

これは右肩上がりの時には確かに通用する議論だ。しかしそのたまには絶えず高度成長を続けなければならない。これは経済の各分野に相当の歪みを生む。市場には、どこかで調整期、踊り場が必要だ。

しかしそれが許されないような状況は果てしなく危機的だ。

もしそれが中国国民の不満の空気抜きとして位置づけられているのなら、尖閣諸島問題は極めて危険である。
景気が減速傾向に入っている時に、中国の最大の経済基盤である日本との関係を悪化させれば、本格的なリセッションを招きかねない。

GDP二位といっても上げ底経済で、基盤は脆弱である。韓国の深刻なバブル後不況を見ているだけに、「第二の天安門」の可能性について、いささか恐怖感をもって見つめざるをえない。