アルジェリアでイスラム原理派による大量誘拐事件が発生した。おそらく直接の引き金となったのはフランス軍のマリ進駐と武力介入であろう。

ポイントは3つほどある。

1.この“原理派”グループは、もともと“アフガン聖戦”に参加したアルジェリアの若者たちで、帰国後はアルジェリア各地で血に飢えた凶獣となって、無差別テロを繰り返した。最終的には国内のイスラム原理派からも放逐され、アルカイーダにしがみついて生き延びてきた。いわば“片手に剣、片手にカラシニコフ”という狂気の集団である。(狂気の裏にはそれなりの計算があるのだろうが)

2.マリの北部からアルジェリア南部にかけてはトゥアレグという砂漠地帯で、勇猛をもって鳴るベルベル人のふるさとである。若者たちはカダフィの用心棒としてリビア反革命を戦ったが、敗れ、職を失い、トゥアレグに戻ってきた。マリ南部の黒人政権の風下に入るのを快しとせず、反乱を起こした。そしてトンブクトゥ以北および以東を支配下においた。

3.この機に乗じた原理派崩れのグループはトンブクトゥを支配下に置くことに成功した。彼らはサヘルを実効支配するベルベル人とは無関係で、おそらく彼らにとってもありがた迷惑な助っ人だろう。

このへんの経過については下記にかなり詳しく解説した。

2012.8.26 マリとトゥアレグ

コピペでグーグルの検索窓に突っ込んでくれれば、行けます。

その後の経過だが、原理派には武力以外の統治手段はない。キャラバンで砂漠を往来する通商などはるか昔の話だ。頼るべき闇経済も存在しない。いずれ自壊するだろうと見ていた。


フランス軍が出張ってきた理由はよくわからない。武力干渉はテロを呼ぶ、これは試され済みの教訓だ。ルワンダのようにならなければ良いが、と心配している。

不思議なのは、フランスの対外侵略が左翼政権の時に起きていること。ベトナム然り、ルワンダ然りだ。マリもその轍を踏むことになるのか?

トゥアレグ地方の自然環境はルワンダよりはるかに過酷だ。現に飢饉とイナゴの大群が迫っている。戦闘が再開され、生産活動が止まれば、たちまち死人の山が築かれるだろう。