遠藤記者の調査記事で12月26日付け社会面のトップ。
見出しをまず並べる。

笹子トンネル事故 常識はずれの中日本高速
現場監督経験者語る

その下に白抜き見出しで

大震災後も目視点検のみ
「仮設」用ボルトを本設に


ということで、とにかく引っかかるのが「仮設」用ボルトがそのままというところ。

以下記事を引用する。

今回抜け落ちた天井のアンカーボルトが、「ケミカル・アンカーボルト」だったと聞いて、度肝を抜かれました。
アンカーボルトというのは天井のつり金具を最上部で支えるものです。
通常、アンカーボルトは、トンネル天井部のコンクリートを"打設"する前に、中の鉄筋と溶接して一体化し、コンクリートの中に「埋め込む」もので、絶対抜けません。
自分が工事を担当したJR新幹線のトンネルではすべて「埋め込み式」でした。

これに対しケミカルアンカーボルトというのは、トンネル天井部のコンクリート壁に穴をあけ、接着剤で固着する方式です。
ケミカルアンカーボルトは、あくまでもトンネルの内部で重い荷物を移動させるために、天井にフックを取り付けるときなどに「仮に」使用するものです。

なぜなら、強度の点で極めて不安があるからです。トンネル工事を施工した後に、コンクリートに穴を開け、それも重力と反対の上向きでケミカル・アンカーボードを使用するのは、ありえないことです。

しかもそれを「仮設」としてではなく、永久構造物に近い「本設」に用い、長期に使用していたことは驚きであり、信じられません。

ほかにも打音検査の問題とか、派遣の技師に施行管理を任せていたとか、いろいろあげられているが、やはりこの「設計ミス」というか手抜き設計の問題が一番衝撃的だ。

姉歯事件のときの手抜き設計と根っこは同じだ。これらが事実とすれば、当然、刑事責任が問われてくるだろう。

この記事は赤旗の特ダネと思われるが、他紙ではどのような扱いになっているだろう。