今度の記事で衝撃なのは、アイヌと琉球人が近縁だという話より、本土人が琉球人より朝鮮人に近いということだ。琉球人を封印された原日本人とすれば、現在の本土人は原日本人ではなく朝鮮人の由来ということになる。

自分のルーツが何なのかは、実はどうでもよい話だ(嫌韓ネトウヨにとっては死活問題だろうが)。重要なのは、これが両者の混交過程がかなりシビアーに行われたことを示唆する所見だということである。
朝鮮人の血統が優位になるためには少なくとも祖先の半分以上が朝鮮人でなければならない。これは簡単な理屈だ。

なお朝鮮人といわずに「渡来人」と表現しているが、これも「縄文人」同様に誤解を招く表現だ。実際に調べたのは現代韓国人の染色体なのだから、そこから導かれる結論は、渡来人一般ではなく、任那や伽耶の「縄文期朝鮮人」でもなく、現代韓国人に直接つながる朝鮮人だということである。

アメリカ大陸では南北で白人の侵入形態は異なっている。南ではコルテスやピサロが先住民の王国を征服し、自らが支配者となった。天孫降臨である。混交が盛んに行われ、多くの国では人口の過半数を混血(メスティソ)が占めるようになった。しかし混血とは言うものの、その顔は先住民そのままである。人口比はだいたい1対5くらいではないだろうか。(カリブ諸島では先住民は死に絶えた)
それから見ると渡来人優勢のパターンというのはかなり異常である。

他方北アメリカでは先住民は混交することなく駆逐された。アメリカ人はほぼピュアーな白人である。この混交率0%~80%の中間に日本は位置することになる。

理由は二つ考えられる。ひとつは、これまで考えられていたよりはるかに多くの朝鮮人が渡来したということ、そして人口構成をひっくり返してしまうほどの徹底した簒奪を行ったということである。あるいは原日本人の数が極めて少なかったとも考えられるが…

この観点から、もう一度古代史を考えてみなければならないだろう。