ヴァント・NDRのベートーベン7番、8番を聞いた。クライバーで決まりと思っていたが、世の中広い。
最初はごつい演奏でなんだと思っていたが、聞いているうちにすごいことになってきた。
セルとクリーブランドを想い起こしたが、すこし違う。
なんと言っていいかわからないが、とにかくハーモニーはもとめない。リズムを厳格に守ることが第一、すべての音をしっかり出しても、リズムが狂わなければ音は濁らないという確信がある。
後はすべてのメロディーラインを、徹底して引き出す。ティンパニーさえメロディーに加わる。そして結果としてそれらが響きあえばいいわけだ。
したがって音はシンフォニックというよりポリフォニックに響く。弦楽四重奏曲を聞いている感じだ。
8番の第一楽章の展開部など、まるでモーツァルトのジュピターを聞いている気分になる。終楽章のコーダは不思議な音がするが、「これでいいのだ」と強烈に主張する。
オケもすごい。NDRなど二流と思っていたが、ウィーンフィルにはこんな演奏などできないだろう。

ただ、おもしろいかといわれると、「たしかにそこが弱点ではあるね」と答えざるを得ないところもある。