アレキサンドル・フォン・ツェムリンスキの名前は憶えておいたほうがよい。
名前はご大層だが、実態はどこの馬の骨とも分からぬユダヤ人。
シェーンベルクの義理の兄だが、シェーンベルクほどに世渡りは上手くなかった。ベルク、ウェーベルンをふくむ新ウィーン楽派の仕切りをやっていたが、今ではすっかり陰に隠れている。

理由は彼の曲を聴けばわかる。ブラームスも真っ青というくらいのウルトラ保守派なのだ。この人が第一次大戦後のベルリンでクレンペラーのアシスタントをやっていたなんて、信じられますか?

しかし保守派で何が悪い、何もみんな世紀末派にならなくたっていいだろう。一人くらいヨゼフ二世に殉じたって良いだろう。
ありがたいことにyoutubeで代表作のいくつかが聞ける。抒情交響曲はなかなか良い。マーラーより良い。
今後上演機会が増えて行けば、けっこうフアンもつくのではないか。