森林総合研究所が高知県仁淀川の上流地域で小水力発電のシミュレーションを行った。

おそらく熊野川水系と並んで、水量の安定的確保には最も適したところであろう。小水力発電は、100KW以下の出力の発電施設で、基本的にはダムを作らない。
これまでの100KW以上の発電規模は中小水力発電と呼ばれてきたので、マイクロ発電と呼ぶべきかもしれない。

実際に調査したところでは、多いところでは100KW近くに達するが、ほとんどのところでは流水量が秒あたり100リットル、発電量としては10~20KWという。1世帯あたりの使用電力は1.5~2KWと考えられるので、5~10軒程度にしかならない。
もちろん年間を通して毎秒100リットルの水が確保されるわけではないので、補助電源は必要だ。さらに、治水・利水というのはそれだけでも大仕事だ。川筋が変わったり、ちょっとした崖崩れがあったりすれば、それで設備は無用の長物と化す。

九州発電の良いところは、治水・利水の水路をそのまま用いて、ついでに発電にも利用するということなので、コストやリスクはゼロとは言わないにしても、かなり転嫁できるところにある。

当面は、発電の問題としてよりも、環境問題として扱っておいたほうが良さそうだ。