小泉記者のカイロ電だ。外電頼りの一般紙と違い、赤旗の国際面はこれだけでもとる価値がある。

①27日、反政府武装勢力が北部で政府軍ヘリをミサイルで撃墜。
②28日、北西部のトルコ国境付近で、政府軍のミグ23戦闘機が、地対空ミサイルによって撃墜された。パイロット2人のうち1人が拘束された。

「シリア人権監視団」の発表とのことだが、これがどんな組織かは不明。ただミグをミサイルで落としたというのはきわめて重大だ。ヘリは比較的スピードが遅く、高度も低いので落とせる可能性はある。しかしミグを落とすのはそう簡単ではない。
乾燥地帯のゲリラにとって一番怖いのは飛行機だ。逆に言えば政府軍にとって頼みの綱は航空機しかない。だからSAMのあるなしでゲリラの戦闘力はまったく違ってくる。

エルサルバドルの戦いはまさにその象徴だった。それまで押せ押せムードだったゲリラにとって、84年に大量に導入されたアメリカ製の高性能ヘリは脅威だった。戦線は一気に収縮し、分断され孤立したたたかいを迫られた。
それが88年に入ってゲリラがSAMを入手したことから、がらりと状況は変わる。ヘリや戦闘機がハエでも叩くようにばたばたと落とされ始めた。
そして89年には首都サンサルへの総攻撃にまでいたる。じつはこのSAMはニカラグアが横流ししたものであった。察するに、進まぬ和平に業を煮やしたニカラグアのサンディニスタ政権が、揺さぶりをかけたものと思われる。 これに恐れをなしたアメリカとエルサルバドル政府は停戦に応じるようになった。(拙著「エルサルバドル革命史」を参照されたい)

政府軍の陸上部隊は、航空機の援護がない限り絶対に動こうとはしない。無理強いすれば逃亡するか寝返るだろう。だからもう二、三機墜ちれば勝負は終わると思う。

問題は、トルコがどういう立場から、どういう形で軍事的プレゼンスを示していくかだが、イスラエルは相当ぴりぴりしているだろうと思う。