イスラエル系圧力団体とは何か?

①イスラエル系圧力団体とは、個人や組織の緩やかな連合であり、支配的な指導力を有する統一された運動ではない。

②ユダヤ系アメリカ人の大多数を結集しているわけでもない。2004年の調査では、36%のユダヤ系アメリカ人は「全く」又は「ほとんど」イスラエルに心理的に帰属していないと答えている。

③アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)など重要な組織の多くは、リクード党の拡張政策を支持する。しかし「ユダヤの平和の声」の様な幾つかの集団はリクードを支持しない。しかし穏健派も強硬派も、共にイスラエルの忠実な支持者である。

④ユダヤ人の主流派にとって、イスラエル政府=リクードの安全保障に関連する政策に批判的な議論を行う余地は絶対に存在しない。彼らは事実上、外国政府の代理人となっている。

イスラエル系圧力団体の影響力

①1997年のフォーチュン誌: 議員対象の最も強力な圧力団体アンケートでAIPACは米国退役軍人協会に次いで二番目だった。AFL-CIOや米国ライフル協会より上位。2005年3月のナショナルジャーナル: ワシントンでの「影響力番付」で全米退職者協会と同点の二位であった。

②AIPACのメンバーはユダヤ系ばかりではない。著明なキリスト教福音主義者も含まれる。彼らは全員、イスラエルの復活が聖書の預言の成就であると信じており、イスラエルの拡張主義政策を支持する。

③AIPACは資金、選挙、報道などから米国議会議員を締め付けており、議会がAIPACから指示される以外の政策を持つことはできなくなっている。

④ユダヤ人は選挙資金を通じて大統領と政府に影響力を行使する。ワシントンポスト紙は、民主党の大統領候補がユダヤ系の支援者から選挙資金の60%を得ていると推計している。すでにクリントン政権時代、米国の中東政策は主有力な親イスラエル組織とその代表としての幹部スタッフによって形成された。

マスメディア・世論の操作

①ウォールストリートジャーナル紙は明確な親イスラエル、ニューヨークタイムズは時折イスラエルを批判するがイスラエルよりのスタンスは変わらない。CNNがイスラエルを批判すると6000通の電子メールが送りつけられる。

②ボストンのナショナルパブリックラジオ局であるWBURはイスラエルを批判して100万ドル以上の寄付金を失った。米国議会にいるイスラエルの友人からは報道に関する監視に加えて内部監査を要求される。親イスラエル団体はラジオ局の周りで示威運動を組織的に行った。

③イスラエル系圧力団体は、世論形成役のシンクタンクを影響下に置く。国策研究会(AEI)、ブルッキングズ研究所、安全保障政策センター、外交政策研究所、ヘリテージ財団などを実質的に支配している。

学問の世界への攻撃

イスラエル系圧力団体が最も苦手としたのが大学だった。

①彼らは「大学観察」というウェブサイトを立ち上げた。批判的な研究者の人物調査書が投稿され、密告が奨励された。とくにエドワード=サイードが在籍していたコロンビア大学が標的となった。サイードを糾弾し、制裁又は解雇することを要求する何百もの電子メール、手紙が送りつけられた。

②2004年の年末に、コロンビア大学の中東研究の教授陣はユダヤ系の学生を脅迫しているとのフィルムが制作された。実際にあったのは、ある教授がある学生の質問に「怒りを持って返答した」ことであった。その教授は、イスラエル系圧力団体による脅迫作戦運動の対象であった。

③イスラエル系圧力団体は米国議会に教授の発言を監視する機構を設立するよう圧力をかけた。彼らの努力は失敗に終わったが、もし議案が成立していれば、反イスラエル的と判定された大学は、連邦政府の資金援助を拒否されていただろう。

「反セム主義だ!」という攻撃

イスラエルの行動を批判する者は反セム的と名付けられる十分な機会を持つ。「イスラエル系圧力団体が存在する」と言えば、反セム的であると告発される。反セム主義は誰も批判されたくない事柄だ。(解放同盟の“差別だぁ!”に似ていますね)