舌鋒は鋭さを増す

ユダヤ人の倫理的価値への疑問

ユダヤ人はイスラエルへの支援を倫理の問題として提示する。しかし客観的に見て、イスラエルの過去及び現在の行動からはパレスチナ人よりも優遇されるべき道徳的根拠は何ら認められない。イスラエルの存在を支持する強い倫理的主張は存在するが、それは危機的状態にあるわけではない。

A イスラエルはアラブに囲まれ孤立したか弱い国なのか

①イスラエルは米国の大規模な援助が始まる前にも三度の戦い(独立戦争、スエズ紛争、6日戦争)に圧勝している。

戦略的 な均衡は決定的にイスラエルに有利であり、その軍事能力と抑止力における近隣諸国との量的格差は拡大し続けている。

負け犬を支援することが動機なら、米国はイスラエルの敵を支援すべきだ。

B イスラエルは守られるべき民主主義国家なのか

イスラエルは民主主義国の仲間であり敵対的な独裁国家に囲まれているという。

世界には多数の民主主義国家があるが、イスラエルのような破格の援助を受ける国は存在しない。民主主義であることだけでは現在の援助水準を説明できない。

②米国は自国の国益を向上させると考えたときは独裁者を支持してきた。そのために民主的政府を転覆させてもきた。

イ スラエルの民主主義には米国の中核的な価値観に対立するところがある。人種・民族・宗教に関わらず平等の権利を享受できるわけではない。130万人のアラブ人は二流市民でしかない。

C 人類はユダヤ人に責めを負っているのか

ユダヤ人は何世紀にも渡って迫害されてきた。イスラエルは米国から特別な扱いを受けるべきだ、という。しかし、それは第三者であるパレスチナ人に対するユダヤ人の犯罪行為を許容することなのか。

ユダヤ人の悲劇的な歴史があるからといってイスラエルへの無条件支持を米国が強制されることはないのだ。

D 高潔なイスラエルと邪悪なアラブ

イスラエルの行動は残忍であることが多く、高い道徳性へのあらゆる要求を裏切ってきた。

①独立後の10年間、イスラエル軍は5000人のアラブ人を殺し、た。イスラエルは26万人をヨルダン川西岸から追放した。そして、ゴラン高原から8万人のシリア人を追いやった。

②パレスチナ青少年のインティファーダの最初の日、イスラエル軍は百万発の銃弾を発射した。一人の殺されたイスラエル人のために3.4人のパレスチナ人を殺した。

そして、もし戦略論も道徳論も米国のイスラエルに対する支援を説明できないとすれば、我々はどうやってそれを説明するのか