以下に紹介するのは、メイン州選出の下院議員で女性のChellie Pingree さんという人が、地元紙の Huffington Post に寄稿したものである。

題名は“Recovering democracy after Citizens United”となっている。連邦最高裁判決で壊された民主主義をどう回復して行くのかという意味であろう。

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憲法がこのように修正されるのはクレイジーだ。つまり、アメリカ人の大多数にとってあまりにも明白な意見、「企業は人民ではない」という見解を明らかにする条項を付け加えることである。

しかし、そういうクレイジーな状況を、今日我々は眼のあたりにしている。

連邦最高裁が「シティズンズ・ユナイテッド」を支持する判決を下してからたった2年だというのに、我々はすでに破壊的な影響をひしひしと感じている。それは財政改革計画の深刻な後退となって現れている。

2010年の中間選挙は、これまでの歴史において最も高価な選挙であった。企業はありあまる利益を数億ドルも費やし、彼らを利するような人々を当選させようとした。そして大企業の懐をさらに膨らまそうとした。

「市民連合」はドアを開けた。さらにビッグ・マネーをつぎ込むことが許された。そこには企業の政治への影響力を強める目論見がある。いまや企業は豊富な選挙資金を無制限に寄付できるようになった。顧客や株主の金を同意なしに、制限なしに使うことが許されることになったからである。

私の故郷のメイン州では、匿名のドナーに支えられた州外のグループが、何百万ドルもの政治資金を使ってキャンペーンを行ってきた。そうやって連中の目論見に反対する動きを潰そうとした。我々はそれを見てきた。

メイン州では我々は幸運にも Clean Elections システムを持っていた。それは(最高裁判決に逆らって)、議員が企業の特別利益金を拒否することを認めるものだ。国家のレベルでもメイン州のやり方に従うべきだと思う。議会は小額のドナーの声を勇気づけるべきだ。

私は法案を作成した。超党派で提案することになる。その「Fair Elections Now Act」は、メイン州で行っているシステムを全国レベルで実施しようというものだ。

このシステムは少額ドナーを優遇した政治資金計画だ。これによって市民が選挙に主体的に参加できるようになる。「少額ドナー」システムは、それだけで全国レベルのすべての問題を解決するわけではないが、大きな力にはなるだろう。

すでにワシントンはビッグビジネスによって支配されているが、シティズンズ・ユナイテッド判決はさらに市民の敷居を高くした。普通の人々が声を上げても、その声はいくつものハードルによってさえぎられている。

我々の民主主義の中核は、誰でも平等に声を上げることだ。語り、聞くことだ。シティズンズ・ユナイテッド判決はその鍵となる価値を蝕んでいる。それは企業がたっぷりと金を使って彼らのスピーチを行ない、他のすべての人々の声を掻き消すのを認めている。

企業はそれなりに重要な目的をもって活動している。しかし人々に投票の仕方を教えることは企業の目的ではない。

私は彼らとともに働きたい。経済成長を維持し、社会の健康を増進させたい。だから私の政策について彼らの考えを聞きたい。そうすればもっとよくなるだろう。

しかし、彼らのものの見かたは労働者や雇用者のそれとバランスをとらなくてはいけない。彼らの顧客ともバランスがとれていなければならない。そして、彼らの決定が良かれ悪しかれ影響を与えるであろう多くの人々と、考えをすり合わせなければならない。

我々はこれ以上彼らに金を使わせてはならない。それは政策を彼らに都合の良いようにゆがめさせる為の金だ。

ミット・ロムニーは会社が人民であると思っている。私はそうは思わない。会社に人権手続きを行うといったって、第一、“straight-face test”にパスできないではないか。

悲しいことに、我々は憲法修正第一条を書き直さなければならないようである。すなわち「憲法により保護される権利とは人間の権利であって、企業の権利ではない」と。

これまでにも増して、ワシントンは政治活動へのビッグ・マネーの流れを止める必要に迫られている。強力なロビイストの地位を揺るがす必要がある。しかし「市民連合」はそうするための我々の能力を著しく弱めた。

下院議員の一人としての私の視線は、厳しい経済の時代に何とか生活を持ちこたえようとしている家族に注がれている。大企業ではない。彼らは議員に影響力を行使し、より多くの利益を搾り取ろうとしているだけだ。

我々は「市民連合」判決を無力化させる必要がある。そうすることで、ふたたび本業に戻ることができるのだ。