水素の液化プロジェクトの話は「夢物語」としていろいろなところで語られており、事業担当者が壮大に風呂敷を広げている。その割にはコストの話が分からない。そこはかとなく、「ごまかそう」という態度が見てとれる。
そういうヨタ話ではなく、今度昭和基地に取り付けられるという装置がどんなものなのか、その実態を明らかにしないと話が進まない。
といっても難しい話は苦手、とりあえず下記の記事を紹介する。
電力を液体に変えて備蓄、南極昭和基地でも再生可能エネルギー
南極の昭和基地はディーゼル発電機を利用している。その燃料は「しらせ」の輸送量の約5割に達している。
南極の風力資源は豊かだ。問題点は風の強さではなく、強さが極端に変化するところにある。そこで、日立製作所の『風力発電機利用水素発電システム』が注目された。
このシステムは、風力で作られた電力で水素を製造し、さらにメチルシクロヘキサン(MCH)にして蓄える。MCHは常温で液体であり、ガソリンと同じインフラで安全に扱うことができる。
基本となる化学反応: 高温条件下でトルエン(右)1分子当たり、水素を3分子加えると、発熱し、MCH(左)に変化する。これはさほど難しい作業ではないようだ。
システムの概要
絵の通りだ。5つの装置と軽油を入れて四つのタンクが必要だ。大変なもんだ。
私は勘違いしていたが、MCHを燃やすわけではないようだ。Wikipedia にはジェット機の燃料などと書いてあるから、てっきり燃やすのかと思ったが、そんなことしたら、たちまち破産してしまう。
MCHは水素をくっつけたトルエンであって、水を吸ったスポンジであって、それ以上のものではない。ただの容器である。
それでこの過程のどこが律速段階かというと、MCHから水素を分離をするところがけっこう苦労するようだ。鵜飼漁で言えば、鵜に鮎を食わせるのはさほど難しくないが、それを吐き出させるのが技術ということになる。
日立製作所は技術の詳細を公開していないものの、MCMから水素を取り出す際の反応速度を高めるため、Pt(白金)微粒子などの触媒を利用していると考えられる。試験運転では、出力3kWの発電機に連結して試験運転を行う。昭和基地への設置に関しては、別途受注契約を結ぶという。
7千万円は「おためしセット」の価格だった。本格的にやろうとすれば、湯水のごとく金を使える軍事目的か国策的研究目的しかない。
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