9月の貿易収支が出た。
非常に悪い。過去最大だ。赤字幅の増大が深刻だ。
3.11以降、LNGと原油の輸入増が赤字の主因となってきたが、最近ではこれに加えて中国経済の減速、さらにEUが緊縮政策を採ったことによる輸出の減少が加わっている。
そこへ持ってきて尖閣騒ぎだ。

どうも気になるが、この問題に関して政財界の動きがきわめて鈍い。深刻感が感じられない。目下の関心事は家電業界のリストラばかりだ。
はっきりしているのは、縮小再均衡を実現したとしても、労働者や国民の所得を減らし、収奪を強化し、内部留保を積み増したとしても、本当の国際競争力の強化にはまったく結びつかないということだ。

彼らは、この10年間、構造改革でやってきて、こういう事態になった、ということについて自問自答してみる必要があるのではないだろうか。「そもそも我々のやってきたことは正しかったのだろうか」と。

事態の深刻さは赤字幅にあるのではない。この状況を打破する展望を打ち出せないことにある。今日の電機は明日の自動車だし、工作機械だ。