8月以来の中田の打撃は本物だと思う。
ずいぶん苦労したものだ。大変だったろうと思う。
よってたかっていじられたが、そうやって自分のスタイルを身につけたのだろう。
そのスタイルとは一言で言って「つながない野球」だろう。
日本ハムはつなぐ野球を信条としてきた。これは「稲葉イズム」でもある。
「つなぐ野球」はワールド・ベースボールで稲葉が「つなぎの4番」とみずからを評したことで一躍有名になった。
日本ハムは個人の力で見ると決して強いチームではない。どちらかといえば非力な貧打のチームであった。しかし守備は良かった。毎試合平均、ヒット2本くらいはアウトにしている。
傑出した投手もいず、継投でしのいだ。負けるときはボロ負け、勝つときは一点差というのが試合のスタイルだ。
鍛え上げた高校野球のチームみたいだ。金もない田舎チームが勝つにはこれしかない。
ただダルビッシュが出てきて、糸井と陽が力をつけてくると、すこしスタイルが変わってきた。ヒルマンと梨田の違いもあって、すこし戦法が大味になった。
そして勝てなくなった。
今年、監督が変わりヒルマン由来のつなぐ野球が復活した。中田は打撃フォームの問題より、むしろこのスタイルにどう溶け込むかで苦労した。このとき稲葉の指導が良かったのだと思う。
「お前はつながない野球をやれ。それがつなぐ野球の中でのお前の役割だ」
とでも言ったのではないだろうか。
なぜなら二人の打撃スタイルはまったく異なるし、技術的に指導してもしようがないからだ。
結局はそれがつながりになる。すべての選手がそれを希望すれば、団結が壊れることはない。
なぜなら、中田はやはりそれだけのものを持っているからだ。