今日の赤旗経済面で、産業革新機構を大々的に取り上げている。
初耳だ。

まずは、見出しとリードから

主見出しが「国の資金でリストラ“支援”」
横見出しが2本。1本は「パナ工場買収企業に2千億円」、もう一本が「解雇労働者の処遇は考慮せず」だ。

となれば、構造不況業種を対象とした再生支援機構みたいなものかと思う。

しかしリードを見ると、少し違うようだ。

国内外で4万人の大規模なリストラを進めるパナソニック。その背後には、国と大企業が大部分を出資する「投資ファンド」の存在があります。産業革新機構です。

投資ファンドといわれると、「えっ」と驚く。なにやら思わせぶりな書き出しだ。投資ファンドというからには、何かリスクテークするのだろうか。

①産業活力再生特別措置法改正にもとづき、2009年に設立された。
②次世代産業の育成と、既存企業の革新のために投資・支援を行うことを目的とする。
③国が9割に当たる1420億円を出資、政府保証枠をふくめ、最大で総額2兆円の投資が可能とされる。

つまり、「産業活力再生特別措置法」というのが分からないと、結局分からない。

それで、見出しの下にコラムがあって、法律の説明が書いてある.ずいぶんややこしい記事だ。

1999年 元の産業活力再生特別措置法が制定。大企業のリストラや再編を減税で後押しすることを目的とする。財界の強い意向を受けて制定されたもの。(いわゆる「リストラ減税」のことか?)

2009年 産業活力再生特別措置法が改定される。減税だけでなく政府資金の注入や損失補てんが可能になる。そのための機構として「産業革新機構」が創設された。

ということだ。

これでもまだ良く分からない。だいたい「投資ファンド」などと書くから分からない。「村上ファンド」を想像してしまう。要するに投資会社の形をとった不況企業の救済機構ということなのだろうか?

とにかく次に進む

それでこの産業革新機構がどんな組織で、09年の設立以来どんなことをやってきたかというのが次の話。

まず機構だが、9割が国の出資と書いたが、残りの1割を大企業が出資している。これがけっこう噴飯もので、

パナソニック、ソニー、東芝、シャープなどの電機大手やトヨタ自動車、三菱商事、三井住友銀行、東京電力など27企業が並びます。

と書いてあるが、各社横並びの5億円だ。村の神社のお祭りの奉加帳じゃあるまいし、これでは社長のポケットマネーなみだ。それで権利だけは堂々と主張し、幹部役職は独占している。

それで、これまでの実績は格安運賃の「ピーチ」航空や、ベトナムへの原発輸出を担う国際原子力開発への支援が主なものだという。

まぁ、態の良いタカリと思えば良さそうだ。各社5億円を持ち寄り、140億円集めた。これで政府に掛け合って1420億円のゲンナマと、2兆円の政府保証枠をせしめたという話。

たしかに機構としてはリスクテークしているが、リスクを負担するのは90%が国で、各企業は1/10の、さらに1/27ということになる。


と、ここまでが話の前段。つかれる。

そしてここからが話の本筋。

今回、これが問題になったのは、支配下のジャパン・ディスプレイ社を介してパナソニックの茂原工場を買収した話がきっかけだ。

仕掛けとしては、
①産業革新機構がジャパン・ディスプレイに2千億円を出資し、全株の7割を保有した。なお、ほかの3割はソニー、東芝、日立の3社が10%づつ保有。
②ジャパン・ディスプレイ社が工場設備を買い取り。
という二段階になる。

こういう仕掛けにすると何が良いか。見掛けがよくなるのである。
一企業が一企業から買い取るという構図になるから、そこには政府も、その背後の財界も見えなくなる。見えなくなるということは責任をとらなくても良いということになる。
何の責任かといえば、労働者に対する雇用責任である。

同機構は「買収したのは工場のみで、労働者はパナソニックの責任だ」として、責任を果たそうとしていません。

気分としては、剥げ鷹ファンドだろう。

というのが、記事の骨組みのようだが、読み解くのに1時間かかった。
次からはもう少し整理して出してくれ。